ダウ理論っていったいどんなものなのでしょうか?
ダウ理論は、言ってみれば、為替相場の値動きの傾向につけたネーミングです。
「理論」という言葉から、なにやら難しい学術的な話のようにも感じられます。
が、ダウ理論の実態はとてもシンプルな相場傾向のことなんです。
FXで市場での値動きに現れる「トレンド」の動向がいったん始まったら、反転のタイミングまで継続するとされるクセのことをダウ理論と呼んでいる感じですね。
19世紀のアメリカの証券アナリストであったチャールズ・ダウ氏が提唱したものです。
チャールズ・ダウ氏の名前からとってダウ理論って呼ばれているということですね。
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FXとダウ理論
ダウ理論は、FXの相場とチャート上での値動きのみにおいて論じられるものではありません。
株式投資や原油などの商品を含め、市場が存在するものであれば、通常展開されるとされています。
市場が形成されるチャートは、群衆心理が集約されたものですよね。
買いたい気持ちと売りたい気持ちの攻防がチャート上に表現され、ある一方に群衆の気持ちが動いた時にトレンドが形成されます。
この、「人がつくる相場」に着目してつくられた理論がダウ理論と言えます。
ダウ理論によれば、一度できたトレンドは、反転が証明されるまで継続されるんですね。
ダウ理論のトレンド定義
ダウ理論に基づくトレンドは2種類です。
それは「アップトレンド(上昇)」と「ダウントレンド(下降)」になります。
アップトレンドは、高値と安値がその前の高値安値より連続して切り上がっているものです。
ダウントレンドは、高値と安値がその前の高値安値より連続して切り下がっているものですね。
どちらにせよ、ダウ理論においては、さらに時間軸で3つにトレンドを分けます。
ダウ理論における名称 | 定義 |
主要トレンド | 1年から数年にわたるトレンド |
二次トレンド | 数週間から数か月程度のトレンド |
小トレンド | 3週間にも満たない短期的なトレンド |
表にするとこんな感じですよね。
この3つのトレンドが混ざり合って相場が形成されている、というのがダウ理論の基本スタンスですね。
この観点で、今の主要トレンド、二次トレンド、小トレンドがそれぞれどっちに向いているのか?ということを、意識しながら相場を見るというのがダウ理論の基本姿勢ということです。
ちなみに、このダウ理論をベースにしたテクニカルがエリオット波動ということになりますね。
FXは7割がレンジ
また、トレンドが発生していないときの相場もあります。
というより、トレンドが発生していない相場が相場の7割を占めると言われているので、本来この言い方はおかしいんですけどね。
トレンドが発生していない時、トレンドが終わって、踊り場のような状態になっている時は、「レンジ相場(持ち合い・中立・トレンド崩壊)」と呼ばれています。
レンジ相場はボックス圏ともいいますね。
いずれにせよ、一定の変動幅の範囲内で価格が上昇下降を繰り返している相場状況を指します。
ちなみにぼくは、職場の影響もあって、このブログではだいたいの記事で「レンジ」という表現をつかっています。
FXのダウ理論では安値高値に要注目!
具体的に考察するために、アップトレンド(上昇トレンド)の定義についてもうちょっと掘り下げて書きますね。
高値と安値が、その前の高値安値より連続して切り上がっているものがアップトレンドと定義される、と書きましたよね。
上の図を見てください。
「高値と安値がその前の高値と安値よりも切り上がっている状態」というのは、つまりこういうことですね。
このようにキレイにすんなりと高値更新していかなくとも、一旦プルバックで下降しつつ「押し安値」を切らないで上昇すれば、アップトレンド継続とみます。
ダウ理論を掘り下げる
押し安値というのは、高値と安値が連続して切り上がり、上昇トレンドが発生した際の値上がりの流れの起点となった安値のことです。
ちょっと長めの陰線が出現したとしても、この押し安値よりも下値を更新することがなければ、同じ上昇トレンドということですね。
これはマスコミが配信する為替ニュースにおける表現を正確に認識するために必要な知識なので、ぜひ覚えておいてください。
ぼくの為替ノートからの抜粋ですが、たとえば2007年6月13日のロイター通信のニュースで、こんな記事が掲載されたことがあります。
独立系の資産運用マネジャーのデニス・ガートマン氏は「非鉄金属価格は大半が頭打ちの状態にあるが、金は今後も上昇トレンドが続く」との認識を示した。
これなんかとても貴重な情報なわけです。
ダウ理論とFXの押し安値
金は特に円相場と相関がありますよね。
金が、「今後も上昇トレンドが続く」のであれば、そのときにおける金の上昇トレンドの起点を調べて、押し安値を探せばいいわけです。
そして、ドル円なりポンド円なりを同時監視しつつ、金のチャートが押し安値に接近してきたら、コーヒーでも飲んで集中力を高めるわけですよ。
あ、ちなみに金と為替の相関については☟こちらの記事を読んでくださいね。
金と為替の相関をFXトレードに生かす方法|リスクオフ相場とは?
でですね、基本はトレンドが継続する前提で、日本円の通貨ペアで、逆張り狙いの「売り」でのエントリーを考えるんです。
でも、もしブレイクしようものならば、「買い」でエントリーですよね。
金と日本円は相関関係にありますが、日本円は決済通貨なので、ぼくが言っていることがちょっと複雑に感じるかもしれません。
よく咀嚼するようにしてください。
いずれにせよ、この場合は、この「押し安値」がひとつのキーになります。
この場合、このデニス・ガートマン氏に発言力があるかどうかは問題ではありません。
ロイター通信と言えば世界的に影響力のある金融マスコミです。
そのロイターからこういう為替ニュースが流れた時点で、GOLDのチャートにおける押し安値を意識するトレーダーが、いっきに増えるわけです。
ダウ理論とは? まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
今回はダウ理論について書いてみました。
具体的に掘り下げたのはアップトレンド(上昇トレンド)の定義のみでしたが、ダウントレンド(下降トレンド)は、単にこの逆ってことですね。
いずれにしても、ダウ理論の真骨頂のひとつです。
また、押し安値という概念もダウ理論ならではのものでした。
このダウ理論、まだまだFXトレードに役立つロジックがたくさんあるんですが、とりあえず今回の記事はこれで終わります。
ダウ理論については、また日を改めて書きますね(^^ゞ
Dakar
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