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実需とFX

メガバンク対法人為替営業マンの仕事|提案を受ける実需筋

投稿日:2021年8月13日 更新日:

凄腕の為替営業マンは、メガバンクにいます。銀行の対法人の営業マンって、まさにスペシャリストなんですよね。自社のトレーディングルームと密に情報をやりとりしながら、冷静な状況分析と決断力で顧客からの信頼を勝ち得ていくわけです。今回は、いち製造業の企業に勤務するスタッフの立場から、彼らの凄みをつらつらと紹介してみようかなと思います(^^)

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法人営業は花形部署?

国内主要銀行の為替営業マンの中でも、対法人格のチームはいわば花形のひとつのようです。

このへんは銀行のカラーが出るので一概にそうだとは言い切れないんですが、例えば三井住友銀行なんかはおもいっきりそういう雰囲気があります。

円相場と政治の関係をざっくりと!自民党とか米国とかの話

このへんの話は、↑この記事に書いたような理由のようです。

この業界、為替と言えばSMBCなんですよ、じつは。

それぞれに押し出すポイントに説得力があるので、大手3行はどこも自行の強みを生かしているわけですけどね。

その中でも、為替取引に関しては、三井住友銀行が一歩抜け出ているイメージがあるんです。

そうそう。

花形がどこかっていう話については、ぼく側の視点でぼくがわかっている範囲で書けば、融資審査系の部署の人たちも、かなり花形部署みたいです。

このへんも、なんとなくわかりますよね。

大きな融資をするかしないかの判断をする部署には、行内から有能な人を集めそうな感じがします。

為替営業マンの仕事相手

さて、そんな銀行の為替営業マン。

彼らが日々全力で向き合っているのは、実質、各企業の課長クラスになります。

そして、何か大事な決め事がある時は、部長や、そのさらに上のクラス。

このへんは会社によってちがいますが、統括部長とか、本部長とか、そういった類の人たちですよね。

ただ、そのクラスの話になると、メガバンクのほうももっとえらい人が出てきます。

なので、実際の担当、銀行の法人営業マンの相手は、課長なんです。

少なくとも、ぼくの勤め先ではそういう構図で。

ぼくは、そういう彼らのがんばりを、いつも横でしげしげと見ているってことですね。

当然、そこでの話というのは、遅かれ早かれぼくに振られることになる仕事も多分に混ざっているんですけどね。

でも、少なくとも、リアルタイムではまだぼくは傍観者なので、そこまで力まず、わりと達観してその状況を考えていることもあるわけです。

いつ営業にくるか?

ぼくの勤め先なんかは、彼らが主体的にかかわってくることが多いのが、だいたい月の3週目とかです。

どうしても勤め先の具体的な話を避けながら話を展開するのでちょっとぎこちない説明にはなりますが、現代は人件費が安い等の理由で海外に拠点を持つメーカーも増えていますよね?

でも、基本的にはぼくの勤め先の主力工場は今でも国内なんですよね。

そういう状況で、先月の収支報告を各工場がまとめる会議をするのがいつも第1週。

執行役員会議で各工場長、つまり役員が本社に集結して社長報告するのが、第2週。

そして、親会社の立ち位置になるところへ自社が報告するのが第3週末。

決算月は多少後ろへずれ込みますが、大筋はだいたいいつもこんな感じなんですよ。

つまり、会社としての数字が明確に見える役員会議から、ある程度戦略的に上へ報告していくタイミングまでの猶予期間が、通常彼らが活躍しようとしてくる期間になるんです。

活躍しようとしてくる、なんて言い方になるのは、あくまで提案をしてくるのが彼らの仕事だからです。

それを採用するのかどうかは、それはこちらが判断していくわけですからね。

為替取引と根回し

とは言っても、このスケジューリングで、大きな判断をしていくということはほぼありません。

というのは、数字が上がってきて、それを親会社へ報告しなければいけないタイミングまで、ほんの数日間しかないからです。

なので、ここは非常にリアルな話なんですが、もう第2週の月曜日くらいには、じつはだいたい方針が決まっているんですね。

ちょっと本筋から話はずれますが、こういうのはホント、根回しの世界です。

やっぱり、本来の流れから1歩も2歩も先を考えて動く担当が多いと、組織は活性化していきますよね。

そして、そういう中に為替取引の絡むことも入ってくるわけです。

当然、ぼくの耳に聞こえてくる話は、その手の話ばかりで、例えばそれは、

「〇〇の入金は今月のほうがいいのか?それとも来月まで待ったほうがよさそうなのか?」

とか、

「〇〇の支払いに関して少しポケットを得た。今から3か月の範囲でいつ出金するのがベターか?」

みたいな話ですよね。

そのたびにぼくは、

「あぁ、この話は未決だけど進んでいるから早めに回答したほうがいいな」

とか、

「この話はある程度様子を見てから判断したほうがいいし、しばらく間を置こう」

とか、やっていくわけです。

ディーラーは3タイプ

一方、銀行法人営業はというと。

彼らは、そういう実需勢の息遣いを、なるべく近いところでとらえるようにしてきます。

これ、どういうことかというと、

「なるべく間を置かず」

ということです。

こういうのは、決算月の直前期なんかは、特にそうなんですよね。

DakarのFX手法を知っている方は、この話は深く頷けるところかなと思うんですが、2月なんかは銀行のヒアリング間隔がかなり刻んでくる印象が強いんですね。

毎年1月に決まった見通しが、修正される話です。

2月になると、企業も想定為替レートを変えたりするので、銀行はそこを気にしてくるわけです。

気にしてくるって言っても、トレーディングルームから背中を押されてしぶしぶ足を運んでくるバンカーの方もいますけどね。

年配のインターバンクディーラーの方からとか。

そこは、個々のパーソナリティも見えてわりとおもしろいところです。

踏み込んでくる営業マンは、ものすごく踏み込んできます。

たとえば、中期経営計画とか、銀行にプレゼンする今後のビジョンとかには、今現在の想定為替レートや死守したいラインなどの数字も出しているんですよ。

保守的な国内製造業各社がこぞってこのラインを意識していたら、メガバンクも財務省にその手の報告をするわけです。

財務省は日銀に伝えるわけなので、その

「最初の報告」

をすることになる実需筋各社はまさに情報の出所になるわけですが、そこから情報をひろってくるのも、法人営業の仕事になっているってことですね。

その時期はある程度達観しておいて、次年度の組み立てにフォーカスしている営業マンも、いますね。

そんな感じです。

言葉選びへの気遣い

とにかく銀行の法人営業って、言葉のひとつひとつをものすごく精査してぶつけてくるところがすごいと思っています。

メーカーって、現場監督からたたき上げで上がっていく方とかは、わりとどっしり構えて懐が深い分、ちょっとガサツな人も多いんですよ。

もろにそういう同期もいますし、これは本社にいても、やっぱり常に感じる側面です。

そんな環境下にいるので、銀行の人と話すときは、よりそういう洗練された部分が引き立って見えるんですよね。

なんというか、都会的というか。

身内でやいやいとしゃべっている時に内線とったら銀行の人で、

「あ、今日アポあったんだっけ。」

みたいな時は、特にこのへんのギャップを感じます。

関東圏内に勤めているぼくも、大きな視点で見れば十分「東京の人」なのかもしれません。

が、やはりそういう中でも、際立っているわけです。

大手町からやってくる人たちは。笑

まとめ

minsyuto

さて、いかがでしたか?

期初、期末や各月の定例のタイミングでは今回書いたような趣旨でよく法人営業とは話をします。

まとめの項まで来てふと思いましたが、

「為替営業マンが考えていること」

というテーマなのであれば、ネゴのときに同席する彼らの心理について、とかも書けますね。

顧客や業者と、大きな交渉をする際の席には、大抵彼らにも同席してもらうんですよ。

オブザーバーとして、ですよね。

当然、交渉の場では発言などはしないんですが、そういうときの彼らは、要はこちら側のアドバイザー的な立ち位置なわけです。

支払いの額面や支払いのタイミングについて、ポイントになる局面では、前もって用意してある別室に彼らとともに一時的に移動して、率直な意見を聞いたりするんですね。

ぼくとかは、必ずその

「作戦タイム」

に同行するわけです。

よく考えてみると、こっちの話のほうがよりリアルな話だったかな。

ディーリングをする瞬間により近い状態の話ですからね。

こっちの話は、また今度書きましょうか(^^)

追伸:

ベンダーと交渉するにあたっての下準備の話はすでに書いているんですよね。

この記事です↓

コスト1割カットせよ?!知られざる実需為替取引の話|材料調達編

時系列としては、こういう資料作成の後に、ネゴに臨むわけです。

出席するよう依頼がある場合もありますし、こちらから要望を出して出席することもあります。

こういう資料づくりの過程はあくまで社内におけるものなので、スケジュールによってはその意図がメガバンク側に100%うまく伝わっていないままネゴの日を迎えることもあるんですよ。

作戦タイムでは、そういう最後のツメの部分の話をしたりもするわけですね。

興味があれば、読んでみてくださいね(^^)b

Dakar

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