ロイターって、聞いたことあります?読売とか朝日とかの一般紙の新聞を読んでいても、よく記事の最後や写真の下とかに「ロイター」の文字があったりします。あれって、ちょっと不思議だと思いません?記事を書いたり写真を撮ったりするのは、その新聞社の記者のメインの仕事のひとつじゃないですか。なのに、世界最大規模の発行部数を誇る全国紙にも、あれほど頻繁に掲載されるなんて、だいぶ存在感がありますよね。これはつまり、読売朝日でさえ、ロイターからの情報提供が自社の取材結果より優れていると認めることが多いという証です。今回の記事では、そんな不気味なほどに情報提供に長けている「ロイター」の本性を暴いてみようと思います。じつは、かつてぼくの勤め先に、そのロイターの研修生が居候していたことがあるんですよ(^^)b
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目次
どこから情報をとるか?
ぼくは、このブログで↓こんな記事も書いているんですね。
情報の選択と見るタイミングは大事!どこのどういう情報をいつ見る?
この記事では、
「トレードに必要な情報をどこからとってくるか?」
という点もテーマのひとつだったわけです。
今回の記事で、それを考えていくにあたって、ひとつの解を提示できるかなと思っています。
まぁ、こんな言い方をしても、その解というのはすでにタイトルで
「ロイター」
であることはわかるとおもいますが(^^;)
ロイターって、一般紙の新聞なんかでもよくカッコ書きの中にあったりして、とりあえずその存在だけはよく知られていると思っています。
でも、その実態って、ご存じですか?
そもそも、金融マスコミって、どんな理念で動いている会社なのか、知っていますか?
この記事では、ぼくが勤め先で築き得たロイターの研修生との交友関係の話も交えながら、そのへんについて触れていきたいと思います(^^)
ロイターとはいったい何者なのか?
2時間ほど前のロイターの発信。
「来週の外為市場では円高リスクが継続することになりそうだ。米中対立の激化懸念がくすぶる中、米感謝祭を控えて取引量が減少したり、持ち高調整が活発となれば、値動きが一段と荒くなる可能性もある。」
だそうですよ。
なるほどなるほど(・・ )b pic.twitter.com/2QSJrLD0DL
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) November 22, 2019
ロイターってよく聞くと思いますが、160年ほど前にロンドンで設立されたニュース報道機関なんですね(^^)b
ロイターは、
「通信社」
と呼ばれてます。
これは、ロイターは基本的には自社で媒体を持たないからです。
テレビ局、新聞社やヤフーなどにニュースを直接売ったり、金融のプロに端末を売ったりリースしたりして、それを通してニュースを提供しているわけですね。
いわゆるニュースのホールセールビジネスをなりわいとしているのが、ロイターという会社なんです。
ちょっと調べてみると、現在は顧客の97%が金融機関で、残りの3%はメディアみたいです。
ロイターは世界中の支局からニュースを配信しているんですよね。
その数、なんと180支局。
このすべての支局から、英語で全世界にニュースを配信しているんです。
この支局数は、ちょっと半端じゃない感じですよね。
業界に線引きをする会社
これ、今日午後3時過ぎに配信されたロイター記事。
ドル円が上昇したことで東京株式市場が反発した、という論調ですよね。
逆ではないんです。
つまり、今日は為替相場主導で株式市場が突き動かされていたということです。
日本株を取引するにしても、ドル円の動きは目安になりうるということ。 pic.twitter.com/zS17O6OrM4
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) January 7, 2020
ロイターって、業界に線を引く存在なんですよね。
こういう話は、ブルームバーグもそうなんですが。
たとえば、ロイターの金融情報端末は、ソーシャルメディア投稿やニュースも考慮して作成されたインデックスを用いて、2019年6月に仮想通貨データの提供をはじめたんですよ。
具体的には、金融情報端末の利用者に、ロイターのランキング上位100種の仮想通貨に関する情報が提供されることになったんです。
こういう動きは、業界に対して非常に大きなインパクトになるんですよね。
それまでは、仮想通貨絡みの情報提供って、大手の媒体ではそこまで注力されてなかったんですよ。
でも、このロイターの動きは、当時競合他社をかなり身構えさせたそうです。
「お、とうとうロイターも仮想通貨に手をのばしはじめたか」
みたいな感じですよね。
実際、この年の夏頃から、それまでの姿勢を一変させて仮想通貨ビジネスに参入した会社がいっきに増えたそうです。
なにが言いたいかというと、つまりロイターの一挙手一投足を、業界のみんなが気にしているということですよね。
業界をリードする会社、とも言えるかな(^^)
お互いがんばりましょう!
そんなロイター通信社なんですが、以前同年代の社員がぼくの部署に居候したことがあったんですね。
居候って、つまり研修みたいな位置づけです。
これは企業間で数年おきに定期的、継続的に行っているもので、ごく一般的なものでした。
2週間ほど用意された机と椅子で自分のノートPCを開いて日々メーカーの実需筋としての為替取引業務の実態を勉強する、というのが表向きのタスクなんですが、実際のところはわりとロイター社員にとってはラクなもので。
上司がいないですからね。笑
ある程度研修後の結果報告のレポートのイメージだけ逆算してつくっておけばOK、みたいな空気で。
そんな感じなので、一応指導員的な立場のぼくともいろいろと他愛もない話をする機会が多かったんです。
2週間で5回くらい飲みにも行きましたからね(^^;)
ただ、今思うとこういう時に築いた関係ってぼく的にもけっこう今の仕事に生きていて、こっちとしてもやっぱり視野を広げさせてもらってよかったなと今では思っています。
個人的な話としては、この彼と過ごした2週間の最終日に交わした会話が、今でもよく覚えているものになっています。
「ちょくちょく飲もうぜ!」
みたいな感じにはならなかったんですが、お互いの仕事のためには今後お互いがいろいろな意味で「使えるヤツ」になっていくことを察していたので、その手の約束めいた会話はしますよね。
別れ際は、
「ま、いつか銀座で飲みましょうか。」
くらいの感じでした。笑
ロイターの強みとは?
ロイターって、まずスクープをとってきて速報を発信することが他社に抜きん出て得意なんですよね。
実際この点は、かなりの強みです。
記事の質を維持しながら、いかに早く伝えるか?
ここの点を、新人記者は誰でも入社後即叩き込まれるそうです。
ああいう会社って、中途入社組が多数なんですよね。
だからある程度「腕を磨いて」入社してくる人がほとんどらしいんですが、みんなだいたい最初は面食らってしまうそうで。
それだけ、ロイターで早く正確に、しかも
「デスクの赤が入らない」
記事を書くというのは大変な作業らしいです。
一種の職人技なんでしょうね。
あと、それぞれのマーケットに専門家がいるというのもロイターの大きな特徴。
製造業の会社に赴く研修生なんかは、まさにその専門性を身に着けるために担当と机を並べていろいろと一緒にやっていくわけです。
すでに記者の経験がある人でも、マーケットに精通しているわけではない人はわりと多いみたいなんですよね。
つまり、機関投資家のすぐ横で取引に関わるさまざまな作業、情報をチェックし、速報になるネタなのかを考えるわけですよ。
そして、自身で判断してネタになりそうならば「デスク」に提出するための下書きを即その場で書き始めてみる。
そんな一連の作業を、研修ではよく横でやってました。
ちなみにロイターは調査報道なんかもかなり得意分野ですよね。
経済指標の見通しなんかも、専門家に速やかに調査できる体制を構築しているんですよ。
新人ロイター記者の本音とは?
仲値トレード、勝てました?
やっぱり10時前の米ドル買いがもろに出ましたね。
今日は天井トレードを含めれば40銭は抜けたはず。
ロイターの言葉を借りれば、ドル円は「年度末取引で堅調」です。
3月の仲値実況はこれにて終わり。
明日、改めて勝率の総括をツイートしますよ(^^)b pic.twitter.com/7MpJRqjF3W
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) March 29, 2019
ロイターは外資なので国内にいる記者は外国人もとても多いみたいですが、当時ぼくについた研修生は日本人でした。
記者は、夜遅くまで働く分、朝遅いじゃないですか。
だけど、メーカーって基本的に、現場が朝早いので出社時間はわりと早いのが普通なんですよ。
ぼくの勤め先も例外じゃなくて、記者目線で考えたら、
「一番つらかったのが朝でした」
ということで。
これ、実際の彼からの話で、後日談ですね。笑
彼のキャラクター的に、研修をしているまさにそのリアルタイムの時間では愚痴みたいに聞こえるだろうと考え、そんなセリフは
「おくびにも出さないように」
していた、ということでした(^^;)
一方ぼくはというと、もう朝早いのはすごく普通なこととして体に刻み込まれてる感じ。
そもそも、10時すぎて出社とかしてたら、公示仲値をリアルタイムで見れませんしね。
でもおそらく、彼は夜遅くまで取材対象者との会食とか、原稿チェックとかに付き合わされることもたまにあったんでしょうね。
もう業界の稼働時間がずれてるから、そのへんは想像に難くないところではありました。
まぁ、ぼくと飲みに行った翌日も辛そうでしたが。笑
やっぱり!?遂に白状したロイター記者
チャート絡みの話もひとつ、書いておきましょうか。
為替相場って、意味不明な急上昇とか、突如の暴落とかって、わりと定期的にありますよね?
ああいう値動きの理由を、リアルタイムですべて把握している人間は、この世に存在しません。
つまり、例え天下のロイターと言えども、材料がつかめないチャート変動って、いくつもあるわけなんですね。
でも、立場上、どうしてもある程度大きな変動については記事で言及しないといけないわけです。
これ、2週間の研修も後半にさしかかると、わりとしてくれてた話が、
「あの下落は〜という材料だったことにしてましたね。」
みたいな言い方で。
まぁこういう話は、けっこうリアルですよね。
例えば、どうしても説明がつかない指標に逆行する値動きを、シティのその筋絡みの仕業にしてみたり、とか。
あ、もちろんこれはもう10年くらい前の話なわけですけどね。
あまりにも足元の話題を書いてしまうと、本人に勘づかれる可能性があるので、そこはご容赦ください。
ただ、こういう話っていうのは、金融マスコミの、いわば常套手段みたいなので、あきらかに今も延々とつづいている筆法だと思っています。
きっと、ぼくはもう今後は、こういういちマスコミの心境の吐露みたいなのは、だんだん聞けなくなっていってしまうだろうなぁと思ってるんですけどね。
20代後半の、お互いわりと明け透けに話ができてしまう時期の、貴重な会話の記憶になっていくんじゃないかなと思っています。
こういう話はけっこう強烈なので、忘れないですよね。
ロイターの書く記事の傾向
これ、なんとも印象的な過去記事(^^;)
気に入らないって。笑
FRBのパウエル議長はイエレン前議長の後任として、トランプ大統領自身が指名したんですけどね。
去年8月のロイターです。#個人スクラップより pic.twitter.com/iSqkYFbgOC
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) May 9, 2019
超有名マスコミのロイターですが、たまに投稿する記事にその顕著な特徴が垣間見えることもあります。
たとえば、上のツイートで紹介したような記事を書くのが、非常にロイターっぽい傾向になります。笑
ロイターって、イギリス企業なんですね。
イギリス企業だからといって英国を非難する記事は書かないというわけではないですが、彼らの情報網は世界一と言われています。
当然、アメリカにも毎年桁違いの予算を割いて記者を派遣。
ホワイトハウスのネタだって、ことごとくひろっていくんですね。
この類の話は、FXトレーダーにとっては非常に貴重な情報ですよね。
FRBの親玉が利上げの判断をするというのは、いたってふつうのこと。
パウエル議長は任務を全うしているだけですし、そのパウエルさんを議長に任命したのは、そもそも当時の大統領、トランプさんだったわけです。
日本銀行のトップでも首相よりは権限が低いのと同様、さすがにFRB議長も大統領に睨まれたら、心理的にはすごく嫌なわけです。
ユーロドルチャートで当時、ものすごくこのことが材料化していたというわけじゃないです。
でも、世の権力構造を考えると、これは決して看過できない記事だったんですよ。
当時のトレーダーたちの頭の片隅に、きちんと刻まれていた話でしたからね。
要は、
「材料化するかもしれない数多の懸念事項のうちのひとつ」
くらいの感じではあった、ということですよね。
まとめ
さて、いかがでしたか?
彼は、学生時代から山登りが趣味らしいんですよね。
ぼくなんかは、あんまり高いところに行くと日をかけても酸素の薄さに体が慣れにくいタイプで、昔から登山とかは行かない人なんですが。笑
彼、外国の山なんかについても、
「~に赴任になったら絶対~は登頂したいと思ってます!」
みたいなことを、よく言ってました。
研修当時はまだ国内で研鑽を積んでいたんですが、彼らみたいな職業はすぐ海外に飛び出して仕事をするようになりますからね。
そうそう。
そういえば当時、外部持ち出し禁止の資料を意図せずこのロイター研修生に見せてしまったことがあったんです。
さきほどロイターの記者は中途入社組が多数と書きましたが、この研修生の彼も当時、他社で記者の経験がすでにあったんですよね。
その時にぼくが発した第一声は、
「貴殿を、弊社規程に違反した疑いで拘束する!」
でした。笑
もちろん、国家機密に触れて自国に戻れなくなったことがあるロイター記者をイメージしつつ(^^;)
どうです?
なかなかセンスのあるコメントだったと思いません?笑
Dakar
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