お待たせしました。仲値天井についてです。仲値天井についてのお問い合わせは、じつはかなり頻繁にいただくんですよね。この記事では、仲値天井とはいったいどんなチャート形状で、どんな要因で引き起こされるのかという点について、掘り下げて書いていきたいと思います。記事タイトルに忠実に書いていこうと思っています(^^)
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仲値天井とは何なのか?
じつは、仲値天井を説明するということにおいては、ぼくはかなり適役の立場になります。
というか、国内では実務者からの発信が極めて少ないこの話においては、ぼく以上に詳しいことを語れる人は相当に少ないはずです。
少なくとも、リアルタイムの為替相場の傾向を加味した話に関しては、ですよね。
出版社さんから書籍を出すことを勧めていただいた際も、その半分は仲値公示のことで、その中で必ず仲値天井の話には触れてほしいということを言われるんです。
出版社さんにも、そのへんよくご理解いただいてるんですよね。
ぼくは、そういうことがあるたびに、「よくお調べいただいているようでありがとうございます。」とお伝えしています。
これ、昼間のぼくの立場のことです。
ヘッジファンドトレーダーも、銀行のディーラーも、この仲値天井の話なんかは、ほぼすべての人が「わからない」「特徴などはない」と言うはずなんです。
それもそのはずで、仲値天井というのは、ほぼ邦人企業の実需筋の取引によってかたちづくられるチャート形状だからです。
わからない、と言い切るのは、実需の取引が見えないからです。
取引の内情が見えていれば、少なくともチャート展開については理解できるはずですからね。
また、特徴はない、と言い切るのは、分析の仕方が知られていないからです。
分析の仕方がわかっていれば、特徴が透けて見えてくるのが仲値天井になります。
仲値天井と銀行
仲値公示トレードと言うと、盲目的に「午前10時に向けてドル円が上がっていくやつ」だと考える方は多いです。
「だから10時前に買うんでしょ?」と。
それ、ちがいます。
実需の動きがチャート表出するか?を見極め、その後に仲値天井まで考慮したトレードプランを練る。
これが、正しいスタンス。 pic.twitter.com/Y5uaFKAooz
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) December 19, 2019
ちょっと専門的になっていきますが、がんばってついてきてくださいね(^^)
仲値天井の相場展開というのは、午前10時以降の円相場上昇になります。
実需筋にとって、外貨の買いは外国への支払い送金、売りは外国からの受け取りを意味しますよね?
米ドルならば、何かを海外から買うために米ドルを買って支払いに充てるわけです。
逆に、自社製品を海外で売り上げた日本企業は手にした米ドルを売って円にすることで、決算報告をしています。
送金をする銀行のことを、仕向け銀行と言います。
仕向けの読み方は、「しむけ」ですね。
対して、送金先になる銀行のことは、被仕向け銀行と言います。
そして、被仕向け銀行が担うのが、被仕向け送金になります。
銀行は出入口
仲値公示関連の話。
外貨送金票の社内締め切り日がゴトー日というパターンも有り。
こういうのは社内の部署の力関係が原因。
こうなると、翌日送金だとすると、6日とか11日とかのドル円も上がりやすいという話になります。
こういうのって、追いかけてくとキリないんですが、知っとくことは大事。 pic.twitter.com/BedR7NIs7b
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) June 18, 2019
被仕向け送金って、つまりは海外からの送金の受け取りのことなんですね。
この被仕向け送金が、仲値天井の誘発要因なわけです。
ぼくなんかは新入社員時代、「銀行は出入口だ」とよく言われていました。
お金を送るのも受け取るのも銀行ってことですよね。
まぁこれは、意思決定するのは企業で、銀行はあくまで「さばくだけの立場」だ、という意味合いでもあるんですけどね。
さて、その被仕向け送金。
送金という言い方なわりに受け取りを指すあたりがちょっとややこしいですが、これは銀行用語らしいところでもあります。
実際に受け取る会社が日本円口座で受け取るケースで、送金者が外貨建てで送金してその送金時に通貨の両替が生じる時には、為替手数料がかかります。
この為替手数料がかかったレートは、TTSと呼ばれます。
このTTSというのは、仲値であるTTMを説明する時に、たまに資料の絵とかに記載してあったりしたこともあったので、もしかしたら覚えている方もいるかもしれません。
通常、各銀行はTTSレートと呼ばれる独自の為替レートを採用しているんですね。
このTTSについては、本邦企業としてはできるだけ高い状態で取引をしたいわけです。
だって、そうですよね?
高ければ高いほど、懐に入ってくる日本円が増えるので。
この目論見が、仲値天井というチャート形状になって、あらわれてくるわけです。
午前中のドル円チャートというのは、仲値公示の時間がひとつの「高値」の目安ですからね。
つまり、ここが「じゃあもうドル売るよ」のタイミングになるんです。
この感覚を想像することは、仲値天井を知るにおいて、かなり重要です。
仲値天井の実態
仲値天井の実態について、もうちょっと掘り下げておきます。
じつは、ゴトー日以外にも仲値が意識されるケースはあるものなんですね。
このこと自体は、ほかの記事でも書いていたかと思います。
その中から今回紹介するケースは、「レートが急激に円高に振れた場合」です。
特に、ドル円が企業の予想レートを下回った後、再びそこの水準に近づいてきた時などは、じつは担当者間で注目されるようになるんです。
このへんが、おもいっきりぼくの立ち位置の話なんですよね。
企業の想定レートでドルを調達できれば、企業としては為替取引で損をしませんよね?
でも、想定レートを下回ったままで一定期間推移してしまうと、いつかは米ドルに両替をしなければならないタイミングがやってくるわけです。
このへんの話は、実需勢としてはとても説明しやすいところです。
要は、製造業であれば、日々現場は稼働していて、顧客への納品の日取りも決まっているわけですよ。
なのに、「良いレートにならないからまだ米ドル買わないよ!」なんて、言ってられないわけです。
米ドルを買わなければ海外から材料が調達できないので、そこはさすがに期限をもうけるわけですね。
このへんは、金融筋のディーリングはもっと「相場ありき」なんでしょう。
ぼくは、そういうディーリングについてはそこまでくわしくはありません。
でも、こと仲値公示の際のチャート形状に関しては、こういう実需の影響が色濃いものになっているということは断言できます。
仲値天井へ
仲値天井、勝てました?
セオリー通り、予告通りでしたね。
この値動きは、明らかに仲値近辺での取引によるものです。
あ、今月はいきなり始めた感じになりましたが、ぼくは決算月は仲値関連のツイートが増えるんです。
ということで、今月もよろしくお願いします(^^)b pic.twitter.com/oYQ5yr4QZg
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) June 3, 2019
地合いの話だけしても仲値天井にむすびつかないかなと思うので、「レートが急激に円高に振れた場合」になぜ仲値天井になりやすいのかというところを書いていきましょうか。
この場合は、実需からの為替予約がすごく増えるんです。
これには、企業の想定為替レートと密接なつながりがあります。
基本的に、ドル円がより高い水準のときに取引をしたい輸出企業というのは、円高になった際も、少しでも良いタイミングを見計らいたいわけですよ。
特に急激な円高局面では、管理職の目が厳しくもなってきます。
このへんはいかにも大組織的な話ですが、現実的なことで。
要は、いきなり数時間で1円くらい下げるようなことがあると、日経新聞にもデカデカとそのニュースが掲載されるわけです。
ふだんそこまでチャートを見ていないくせに、そういう時だけはちょっとうるさい人になるわけですね。
朝からいきなり担当の席まで歩いてきて、
「そういえばあの時の予約分はもう執行したのか?」
みたいな。
んー、ちょっとまた私情が文章にのってきましたね。
よくないな。笑
仲値天井を俯瞰する
大局の話として書いていきましょう。
つまり、そういう日は、国内において、為替予約がいつもより多めに入るわけですよ。
このへんは、日本企業らしいところですよね。
言ってみればこういう局面では、担当の裁量云々というより、「上司の顔を見て仕事をするのが当たり前」的なお国柄が、為替予約へと担当を誘っていくわけです。
だから、まずは午前10時の仲値公示に向けて、ドル円は大きく上昇する傾向があるんですね。
この「10時前の上昇」という話に関しては、通常の仲値公示のときの展開と同じです。
ただ、この局面においてやや事情がちがうのが、当日に「今日はドル不足だ」と知った為替ディーラーも、短期売買で参入してくる、という点です。
もちろん、取引を執行するにあたっては、過去の傾向と今現在の状態を、十分照合しながらということになりますけどね。
つまり、実需の動きを見越したディーラー勢が、トレンドにのっかってくるということです。
こうして、取引のボリュームが増えていくわけですね。
こういうときは、日経平均もけっこうな勾配で上昇するイメージがあります。
そして、肝心なのはこのあと。
この流れで、10時が過ぎるわけです。
この局面で仲値が決定した瞬間に、なにが起こるのか?
これはもう、非常にわかりやすいですよね。
短期売買のドル円買いポジションが決済されてしまうので、その後、ドル円は大きく下落する傾向があるんですよ。
これが、仲値天井ということです。
まとめ
仲値天井とは、午前10時以降に円が買われることにより、ドル円が下落する現象のことです。
あとから見ると、10時が山の頂上のようなかたちに見えるので、こう呼ばれます。
円が買われる理由の1つは、輸出企業の円買いです。
つまり、平日昼間のぼくの立場。
実際に多いですよ、仲値天井。 pic.twitter.com/YNt3zj9ZX3
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) December 6, 2019
さて、いかがでしたか?
今回は「仲値天井」を、FX用語として書いてみました。
まとめておくと、仲値天井の相場展開としては、午前10時以降の円相場上昇。
そして、仲値天井の誘発要因は、被仕向け送金、ということですね。
円相場上昇というのは、ドル円チャートで言えば下落ということです。
仲値天井っていうのは、単にチャート形状のことなんですよね。
シンプルなかたちなだけに、とっかかりやすいものなんじゃないかなと思います。
とにかく、時間がポイントです。
ドル円午前10時。
とりあえず、この時間帯だけチャートを見るだけでもいいです。
そこに、明らかな法則をご自身で視認することができた時、たぶん為替相場の見方がちょっと変わるんじゃないかな。
海の者か山の者かなんだかよくわからない為替相場というものに、ひとつの基準線を引けたような心持ちにもなれると思うんです。
そうなれたら、すごく得ですよね。
それは、ある程度自信を持ってエントリーできる相場を知ることができたってことなので。
そういう相場、増やしていきましょうよ。
1つ1つ丁寧に、自分の得意な相場を増やしていければ、いつのまにか常勝トレーダーになっていたりするんじゃないです(^^)?
Dakar
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