一目均衡表は、FXでも有名なテクニカル指標ですが、「なんだか線がゴチャゴチャしてとっつきにくいなあ」って思っている人も、じつは多いんじゃないでしょうか。
このテクニカル指標、日本人によって考案されたテクニカル指標なんですよね。
生みの親は「一目山人」というちょっと変なペンネームの株式評論家。
これで「いちもくさんじん」と読みます。
考案者は変な名前ですが、せっかくの純国産テクニカル指標の一目均衡表。
日本人としては、ぜひとも使いこなせるようになりたいところです(^^♪
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目次
FXにおける一目均衡表とは?
一目均衡表は「時間」を重視したテクニカル指標なんですね。
一目均衡表の他のものと異なる一番の特徴は、現在値の右側にもテクニカルが表示されるという点です。
これ、言われてみると「そういえばそうだな!」と思いません?
一目均衡表はそれ故、これから先の値動きを、チャートを一目見ただけでイメージしやすいんですよね。
だから「一目」均衡表って言われている、という説もあるくらいです。
一目均衡表は時間を重視!
なぜ一目均衡表はこれから先の値動きをイメージしやすいんでしょうか?
これは、一目均衡表が分析において「時間」を重視しているからなんです。
あえて難しい言葉で言うと、レートに基づいて計算する平均値といったテクニカル数値を、未来や過去にズラすことで、平面的な分析から立体的な分析に昇華させているんですよ。
未来はチャートの中では現在値より右、過去はチャートの中では現在値より左です。
分かったような、分からないような感じだと思いますが、なんだかかっこよくありませんか?
こうやって表現されると。
さて、では、実際に一目均衡表をこまかく見てみましょうか。
FX一目均衡表の仕組み
これが一目均衡表ですよね。
やっぱりゴチャゴチャしてるように見えますかね?
でも、大丈夫。
それぞれがどんなパーツか分かれば、これからどんな動きをしそうだっていうのが、一目で想像できるようになります。
想像通りに動くかどうかは、また別の話ですけどね(^^;)
まずは、構成されているパーツの名前を確認しましょう。
・基準線 … 青のライン
・先行スパン1 … 水色のライン
・先行スパン2 … ピンクのライン
・遅行スパン … 緑のライン
先行スパン1と先行スパン2で挟まれた部分が縦線で塗りつぶされていますが、この部分は「雲」と呼ばれています。
この雲、一目均衡表をつかうならば、一番注目すべき部分なんですね。
雲についてはのちほど説明します。
さて、さきほど、ぼくは、一目均衡表においては数値を未来と過去にズラしていると書きました。
未来にズラしているのが雲で、過去にずらしているのが遅行スパンと覚えておきましょう。
雲は未来にずらしているので、現在のローソク足よりも右側にも表示されていますよね。
初めはこんな感じで、一目均衡表を視覚的に捉えておくところから慣れていきましょう。
FX一目均衡表のパーツの詳細
1つ1つのテクニカル数値の計算式を、細かく覚える必要はありません。
ですが、それぞれ数値にどういう意味があるのかというイメージは持っておいたほうがいいと思います。
計算式よりも、そのイメージのほうを意識して読んでいってください。
それでは、それぞれのパーツについて説明していきます。
転換線
計算式:( 過去9本分のローソク足の上値 + 過去9本分のローソク足の下値 ) ÷ 2
計算式のとおり、過去の9本分のローソク足の上値と下値の中間値を結んだラインが、転換線です。
単純に上値と下値を2で割っただけですが、イメージとしては短期(ローソク足9本分)の移動平均線の簡易版だと思えばいいでしょう。
基準線
計算式: ( 過去26本分のローソク足の上値 + 過去26本分のローソク足の下値 ) ÷ 2
計算式のとおり、過去の26本分のローソク足の上値と下値の中間値を結んだラインが、基準線です。
転換線と似たような感じで、中期(ローソク足26本分)の移動平均線の簡易版みたいなイメージを持っておけばいいでしょう。
ちなみに、大きく動いたときなどは「半値戻し」という言葉があるように、この2で割った中間値というのは意識されやすいラインです。
そういう意味でも、転換線や基準線が意識されるような動きが出ることはよくあります。
先行スパン1
計算式: ( 転換線 + 基準線 ) ÷ 2
計算式では、転換線と基準線の中間値を算出しています。
この値をローソク足26本分だけ右に動かしたものが先行スパン1です。
先行という名にあるとおり、「先に行ってます!」ってことですね。
ちなみに、イメージだけで言うと、短中期の移動平均線みたいなものと思ってください。
先行スパン2
計算式:( 過去52本分のローソク足の上値 + 過去52本分のローソク足の下値 ) ÷ 2
計算式では、過去52本分のローソク足の上値と下値の中間地を算出しています。この値をローソクをローソク足26本分だけ右に動かしたものが先行スパン2です。
右に動かすのは先行スパン1と同様ですね。
また、イメージとしては、中長期の移動平均線みたいなものと思っておきましょう。
中間値を取る期間が長いので、比較的平らな線になることが多いのが特徴です。
先行スパン2に比べると、先行スパン1のほうはわりと上下に細かく動きます。
遅行スパン
これについては計算式はありません。
終値を、単純にローソク足26本分だけ左に動かしたものが遅行スパンです。
単純ですが、一目均衡表で最も重要と言われるくらい、重要なパーツです。
単純そうでいて奥が深い遅行スパン。
侮れないです( `ー´)ノ
FXの一目均衡表パラメータについて
ここまでの一目均衡表のパーツの説明で、いくつか数字が出てきました。
転換線の9とか、基準線の26とかのことです。
こういった値が一目均衡表のパラメータになるんですが、これまでの説明では最も標準的なパラメータを前提に説明してきました。
それで、疑問が出てくると思うんですが、パラメータはどの値に設定するのが一番ベストなんでしょうか?
テクニカル指標では「パラメータをどういじるか?」ということがよくテーマになりますが、こと一目均衡表に関しては標準的なものを使うことをおすすめします。
ちらほら「一目均衡表のパラメータはこれが最適なんだ!」と、マニアックなものを推しているのを見かけたことがありますが、少なくともそういうのは一般的ではありません。
一目均衡表に関して一般的なのは、パラメータをいじることなくデフォルトで使用すること。
相場においては、変に難しいことを考えず、多数派に従っておくほうが賢明なんですよ。
なぜかというと、多くの人がつかっている設定で利用するテクニカル指標が、テクニカル要因になることが多いからですね。
また、この考え方はどの時間足を使う場合でも共通です。
FX一目均衡表を使った相場の見方の基本
それでは、一目均衡表を使ったチャートの見方の紹介にはいっていきましょう。
まず大前提からですが、一目均衡表はトレンド系の指標なので、トレンドを捉えることが得意なテクニカルです。
一目均衡表を使っていかにトレンドを捉えるか、というのがポイントになってきます。
まずは、基本となる3つの側面を覚えておきましょう。
ちょっと語弊があるかもしれませんが、分かりやすくするために大雑把なイメージで分類すると、現在、未来、過去の3つの側面からチャートを分析することができます。
現在というのは、転換線と基準線のこと。
未来というのは、雲(先行スパン1、先行スパン2)のこと。
そして過去というのは、遅行スパンのことです。
このそれぞれの側面について、見ていきましょう。
転換線と基準線から見る分析
1つめは、転換線と基準線から分析をするという話についてです。
最初の方に書いた転換線と基準線についての説明のところで、この2つのイメージについて触れましたが覚えていますか?
そうです、簡易的な短期移動平均線と中期移動平均線です。
そのイメージのまま、移動平均線と同じような視点で分析していけばOKです。
例えば、移動平均線では傾きによってトレンドの方向性を見ましたよね。
転換線と基準線も同じです。
それぞれの傾きでトレンドの方向性を見ることができます。
転換線と基準線から見る分析
また、転換線と基準線の位置関係によっても、トレンドの方向性を確認することができます。
例えば、転換線が基準線よりも上側にいる場合は、上昇トレンドとなります。
これも、移動平均線と同様ですね。
そのほか、移動平均線ではゴールデンクロス、デッドクロスというのがありました。
あれも同様です。
例えば、基準線(中期移動平均線のイメージ)を転換線(短期移動平均線のイメージ)が上に抜いていったら、上昇トレンドの発生のサインとなります。
ちなみに、一目均衡表ではゴールデンクロス、デッドクロスではなく、「好転」、「逆転」という呼び方をします。
雲とローソク足から見る分析
基本となる3つの側面の2つめは、いよいよ雲の登場です。
雲というのは先行スパン1と先行スパン2に囲まれた部分のことでしたね。
この雲は「抵抗帯」とも呼ばれていて、特にトレンドが出ているときに抵抗として強く働きます。
この抵抗の強さは雲の分厚さによって変わってきて、分厚いほど抵抗の力は強く働きます。
幅のあるサポートラインやレジスタンスラインのようなイメージで考えると、分かりやすいと思います。
サポートラインやレジスタンスラインとして働くということは、例えば雲の上方に現在値がある場合は、雲にサポートされながらの上昇トレンドを作っているというふうに見ることもできますね。
雲と現在値の位置関係で、相場のトレンドを分析することもできるんです。
雲はトレンド発生のサインにもなる
また、雲はトレンド発生のサインとなることもあります。
それは、サポートやレジスタンスとして機能している雲を突き抜けるような動きになった場合です。
雲は抵抗帯ですが、これはトレンドの持続を守っているんです。
雲の差し掛かったところが最初の防衛ライン、ここでトレンド方向順張り派のトレーダーは押し目とみなして、トレンドを支えます。
もしここが抜かれたとしたら、雲を抜く直前が最終防衛ラインになります。
順張り派は雲のなかではがんばって支えていますが、雲が抜かれてしまうとあきらめて手仕舞いの動きとなります。
そのため、一気に加速してトレンドが生まれるという流れですね。
伝家の宝刀、一目均衡表の雲!
このように、雲は抵抗帯として働くと同時に、突破された場合にはトレンド発生のサインとなるわけです。
故に、この雲を一目均衡表における最大の注目点に挙げるトレーダーは多いです。
ちなみに、雲を抜き切るには強い力が必要になります。
もし雲を抜け切るほどの力が相場にない場合は、雲の中に入ったまま両サイドの抵抗ラインに挟まれてしまいます。
そして、どちらにも抜けることができないという状態になります。
そのため、雲の中に入ってしまうと、その中で右往左往するような動きになるケースが多くなるということも覚えておきましょう。
遅行スパンとローソク足から見る分析
最後に、遅行スパンとローソク足から見る分析という側面です。
遅行スパンと現在値の位置関係から、相場が強気か弱気という雰囲気を読み取ることができます。
例えば、遅行スパンがローソク足よりも上方に位置している場合は、現在値(遅行スパン)が26日前の価格(ローソク足)よりも高いということなので、強気相場だということになります。
そして、相場の雰囲気が切り替わるサインとなるのが、遅行スパンがローソク足を抜いていくタイミング。
例えば、弱気な相場から強気な相場に変わることを考えてみましょう。
弱気というのは遅行スパンがローソク足よりも下方にある状態で、強気というのは遅行スパンがローソク足よりも上方にある状態でしたね。
ということは、遅行スパンがローソク足の下方から上方へと抜けていったときが、相場が弱気から強気になるタイミングです。
これもトレンド発生のサインとみなされています。
FX一目均衡表の基本のまとめ
3つの側面の見方について、1つずつ説明してきました。
ここまでの内容を、一度まとめてみましょう。
まずは現在の相場状況を見る観点から。
・転換線と基準線の位置関係
・ローソク足と雲の位置関係
・ローソク足と遅行スパンの位置関係
そして、トレンド発生のサインとされるのが、これらの位置関係が切り替わるタイミング。
・ローソク足が雲を抜く
・遅行スパンがローソク足を抜く
そして、これらのサインがすべて出た状態が「三役好転」や「三役逆転」と呼ばれて、一目均衡表の最大のサインと言われています。
三役好転のほうは上昇方向へのサイン、三役逆転のほうは下降方向へのサインですね。
このように、一目均衡表では3つの側面から相場を見ながら、大きなトレンドを捉えていくというのが使い方の基本なんです。
FX一目均衡表を使った取引戦略
一目均衡表における最大のサインは三役好転、三役逆転です。
でも、実はこのサインって出てくるタイミングが遅いんです。
なので、発生したトレンドが小さかったりした場合は、このサインが出てすぐにトレンドが終わって反転しちゃう、なんていうケースも多々あるんですね。
大相場になる場合には、このサインが絶好のエントリーポイントになるのは確かなんですが、これだけで勝負を挑むとなると、あまり資金効率が良くないんですよ。
「じゃあ、どうしたらいいの?」って話になってきます。
ここで、このサインが出る3つの条件がどういう順番で出てくることが多いか、考えてみましょう。
理想的な相場では以下の順番でサインが出てきます。
2.遅行スパンがローソク足を抜く
3.ローソク足が雲を抜く
状況によって特に1と2は前後することが多いですが、大事なのは3が一番最後になるということ。
なので、1、2の早めにでるサインでエントリーをして、3がどうなるかを見極めて、雲で押し戻されたらExit、3が出たら大相場となることを期待してホールドするという戦略が1つの方法でしょう。
ぜひ、この戦略をベースに実際にチャートに向き合い、ご自身なりにトレードをしてみてください。
今回はいっきに書いたのでだいぶ長い記事になりました、、、
以上で終わります。
FXにおける一目均衡表についてでした ^^) _旦~~
Dakar
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