さて、トランプ大統領就任からすでに2週間が経過しましたね。
すでにさまざまな大統領令を出して各方面で物議を醸しはじめてもいるようです。
今回はまたトランプ大統領と為替全般について記事にしてみましたので、タイムリーな話題として日々のチャートにお役立てください。
目次
日本の機関投資家の買い意欲は強い
まず日本の大口の投資欲が依然として弱まらないという点は注目するべきところです。
日本銀行は上場投資信託の買い入れをずっと行っていますよね。上場投資信託というのはETFのことです。
それから東京証券取引所が発表した投資部門別売買動向では、外国人投資家による買いも継続しています。
このへんは裁定買残を調べればすぐにわかることなんですよね。
具体的に書けば、先物+現物で2,000億円超の買い越しです。
トランプ相場スタート以降ずっと連続の買い越しで、トータルでは約4.2兆円の買いになっていますからね。
ものすごい勢いです。
為替ヘッジを外すとはどういうことか
米金利上昇によるコスト上昇により、米国債への投資にかけられていた為替ヘッジを外す動きも出てきているようです。
こうした要因が米ドル/円を底堅くしています。
この為替ヘッジを外すという行為は少し専門的な話なので説明しますね。
今回のケースは円を米ドルにかえて米国債を購入する場合です。
この場合は、米ドル買い円売りのポジションをもつことになり、為替リスクが発生するんですよ。
なので為替リスクをヘッジするために米ドル売り円買いをして、為替のポジションを相殺します。
為替ヘッジ外しがドル円を底堅くする
為替が円高に向かっているとき、このヘッジは為替の損失を回避できますので機能しますよね。
でも、為替が円安に向かうとヘッジしているがために、得られるはずの為替益を得ることができません。
そのため、ヘッジのためにもっている米ドル売り円買いのポジションを手仕舞うことになります。
この手仕舞いがヘッジ外しと呼ばれているんです。
米ドル売り円買いのポジションを手仕舞うということはドル円チャートを押し上げる行為ですからね。
この決済の動きによりUSDJPYが底堅くなるんです。
東芝の米ドル買いがチャートを動かす?
また、中期の話になりますがアメリカでの原発事業で7,000億円規模の損失を出した東芝は、米ドルの調達を迫られることになります。
全額調達するわけではないですが、それなりにインパクトのある金額となるかもしれません。
これはとてもわかりやすい話で、支払いのために東芝が保有している円の資産を米ドルに換える必要があるからです。
時期の話に言及するニュースには注目ですね。
トランプ新アメリカ大統領就任式後の為替関連の話題と今後のFX まとめ
現時点でトランプ新大統領が発した大統領はTPP離脱、連邦政府の採用凍結、妊娠中絶団体への資金停止、メキシコ国境に壁、製造業手続き簡略化、入国審査厳格化、オバマケア撤廃、難民入国禁止、原油パイプライン建設など多岐にわたります。
すでに撤廃する動きがでているものがあることからもわかるように、思っていた以上に移り変わりが激しいです。
しばらくは相場環境認識のための重要な作業として、トランプ大統領の動向を追う時間を長めにとったほうがいいかもしれません。
ぼくの業種の外国為替チームでは、各社今はほぼ毎日「トランプ大統領レポート」を確認していますよ。
Dakar