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実需とFX

実需FX|ドイツ製造業との商習慣のちがいから考えること

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汚れ役という言葉がありますよね?為替取引担当も、そういう役回りであることを感じることが多いです。というのは、ランダムに推移する相場での取引を、最終的に判断していく立場になるからです。ぼくの勤め先の場合、組織上のその責務は100パーセント社長の双肩にかかります。が、実際に現場で動いているのは担当なので、どうしても、結果的に損失につながるような取引をしていた時はいろいろと思うことはでてきますよね。このへん、海外の企業と比べてみるとより伝わりやすいかと思うので、今回はドイツ製造業の為替取引の話に触れてみたいと思います。ではでは今回も、思いつくがままに、とりあえず書き始めたいと思います(^^)笑

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実需為替取引は無責任?

ぼくは、ヘッジファンドトレーダーのKさんとの会話の中で、実需為替取引は相対的に心労が全然ない、みたいな感じのことを書いたんですよね。

ファンドトレーダーKが、Dakarを斬る!

それは、ヘッジファンドのトレーダーは能力給で、トレードの結果が即給料に反映されていくとても厳しい世界であるのに対し、為替取引担当は単なるサラリーマンだからだ、という趣旨の話でした。

Kさんのヘッジファンドなんかはおもいっきり外資で、ぼくの勤め先と比較すると本当に真反対な企業風土、というイメージなんですよね。

まず、このへんに、あの話の重心はあるかなと思っているんです。

つまり、為替取引を実際に執行する人間をとりまく会社全体の雰囲気というか、そんな感じのものですよね。

それから、金融後進国っていう点。

このあたりも、国内製造業の会社で為替にかかわる仕事を続けていると、いろいろと思うことがでてきます。

歴史から学ぼう!ドイツのハイパーインフレとユーロ変動の傾向

ドイツなんかは、昔ものすごいハイパーインフレがあったので、現在はそれなりに

「行ってはいけない方向」

がわりと国全体で共有されていると言われているんです。

こう言うとあまりイメージが湧かないかもしれませんが、このへんは日本円と比べてみればわかるかなと思います。

円安になると、

「株を買うなら今だぞ!」

みたいな感じになり、円高になると、

「海外旅行に行くなら今だぞ!」

みたいな感じになり。笑

ぼくなんかは、このへんの感覚が、金融後進国って言われてしまっても仕方ない側面なんじゃないかと思ってます。

今のドル円のレートを、国全体が総力を上げて一方方向に向かわせるなら、どっちに行かせる?みたいな企画があっても、きっと意見は真っ二つにわかれるんじゃないかな。

この点、ドイツという国は、ハイパーインフレの後は、常に現状のレートに対して一定の判断基準を持つようになったと言われているんですね。

ドイツメーカーの商習慣

↑マイスターが現場で活躍する国が、ドイツですよね。

ドイツ製造業の話を書きます。

ドイツのメーカーなんかと比べると、日本企業はだいぶ独特の商習慣なんですよね。

ポルシェ社なんかは、為替取引に関してはだいぶシステマティックに執行しているそうです。

というのは、自社のスタッフが取引の結果に対して全く関知しない体制になってるんですね。

これは、ほぼその筋のプロフェッショナルに取引自体を一任してしまっている、ということです。

おもしろいですよね。

こういうのは、いかにも欧州スタイルらしいところです。

米国なんかは凄腕のトレーダーを雇って戦略的に取引をすすめていく会社も多いですが、これは基軸通貨の国アメリカだからこそ、な事情も大きいんですよね。

マルクの時代ならまだしも、まだまだ誕生して間もないユーロという通貨で戦っていくための相場判断などは、ポルシェはハナから外注してしまっているわけです。

つまり、ポルシェ社のAustausch担当(=為替取引担当)は基本的に、シュトゥットガルトの本社ビルにはいないってことです。

まぁ、チャート監視くらいはしてるとは思いますけどね。

このあたりの経営判断は、企業風土もありますよね。

世界中に長年のファンを持つクルマをつくっているポルシェ社。

あの特徴的なリアエンジンの車を世に出し続ける会社はすでに野心的な事業に乗り出していく気はさらさらなく、安定したキャッシュフローを求めているんだと思います。

故に、為替取引もそこまで攻めたものにしなくていい、という判断なのでしょう。

経営陣が実際にどんな姿勢で会社を動かしているかまではわからないですよ?

でも、少なくとも、為替取引のスタンスから考えていくと、そういう会社に見えるということです。

企業風土のちがい

株式先行の場合は、DAXを見てユーロドルあたりを押し目買い。これ、テッパンですよ(^^)b

でもこれってじつは、欧州では為替取引が収益に直接的にかかわってくる重要なファクターだという認識があるが故なんですよね。

会社の経営にダイレクトに響いてくるからこそ、金融工学を持って執行した取引が会社を傾かせるほどの損害を出したときには、もうそのスタッフを雇用し続けることさえむずかしくなってくるわけです。

これは、シビアな話ですが、実際にそうですよね。

だって、設計陣と現場が最大限の努力でカタチにした製品を、思わぬほど安価で売らなくてはいけない状況をつくってしまった張本人。

たった数回の取引が会社に大きな不利益をもたらしてしまったのならば、それはもう完全に

「その担当、ないしその部署全体」

が悪い、という話になるわけです。

このへんは、企業風土のちがいです。

米国もそうですが、グローダルスタンダードの考え方としては、仕事はヒトに紐づくんですよね、あくまで。

これは良い面も悪い面もあることなんですが、こと為替取引に関しては、あまりにもリスクが大きすぎるわけです。

故に、そんなおそろしい取引はとても自社で執行できるわけもなく、自然と外部へ委託するような流れになるんですね。

当然、その外部の委託先も

「褒められない取引」

をすることにはなるんですが、そこはうまいこと両者にとって都合の良い幕引きの仕方が決まっているそうです。

だいたいそういう為替取引を請け負ってくれる会社はかなりたくさんあるようで、不利益を被った会社側はいったんはその会社との契約を破棄にはするんですが、数年後にまた

「お得意さん」

として何食わぬ顔で再契約するそうで。

委託する側もされる側もたくさんあるので、社会全体でうまく仕事がまわるんでしょうね。

切られた会社も、もうそこは淡々とやっていくそうです。

変に取引の反省会をはじめるようなこともせず、すぐに次の受託先を探しに行くってことですよね。

日本の場合

↑DAX好調時に経済指標が悪ければ、むしろ買うチャンス。

対して、日本です。

あくまで

「そういう場合が多い」

という話ではありますが、概して日本企業の場合は担当役員、もしくは社長に決裁権限があることが多いです。

会社によっては、価格帯の制限なく、ありとあらゆる為替取引をすべて社長決裁にする会社もあるほどです。

おもしろいですよね。

欧米各国とは、このへんの権限のあり方がまったく異なるわけですね。

なぜ日本の場合は社長決裁のようなかたちが多いかというと、これは終身雇用という形態がひとつ、大きなファクターになっています。

そしてもうひとつは、これは金融後進国故の話ですが、為替取引というものが、それ自体

「ミズモノ」

という認識の前提としてあるからです。

終身雇用という形態は最近はかなり崩れてきたとは言え、広く慣習の根底のところではまだまだどっしりと根付いている企業文化ですよね?

この前提があると、会社としてはひとりの担当に責任を負わすようなことはできないんですよ。

これは、さきほど書いた通りの話ですよね。

なぜ責任を負わすことができないかというと、遅かれ早かれ、必ず会社に損害をもたらすような取引もすることになるからです。

これは、残念ながら避けて通ることはできない事態です。

どんな腕の立つトレーダーでも、シナリオから逆行した状態で期日をむかえることはあるからです。

そして、もうひとつは、金融後進国という点でしたね。

ついに暴露?!これが実需筋の時間感覚

↑ユーロ動向に1番影響を与える国が、ドイツ。

こういうことを堂々と書いてしまうのは、ぼくのブログの大きな特徴のひとつなんですが。笑

まぁ、個人ブログは何書いても自由と思っているので書くんですが、生粋の日本企業の実需為替取引環境は、おどろくほどに前時代的です。

これ、どういうことかというと、例えばテクニカルの話はあまり受け入れられないんですね。

唯一受け入れられることがあるのは、移動平均線。

しかも、なぜ移動平均線かというと、職場で採用しているブルームバーグPCのプロフェッショナルサービスのデフォルトのチャートに表示されているから、という理由で(^^;)

まぁ、分析もなにもあったものじゃないですよね。

基本的に、ファンダメンタルズの話は多くの役員が耳を傾けるので、ぼくはテクニカル分析のあとにファンダメンタルズの材料を後付けで探したりもします。笑

あと、この社長と担当の体制で特徴的なのは、為替会議の話かな。

為替会議で入金時期と入金額の確認をした後に取り組むのが、該当時間軸のチャート確認なんですね。

この該当時間軸というのは、入金スケジュールによります。

工期が長く、入金スケジュールが長期に渡る案件なんかは、比較的検証チャートが大きな時間足になっていくんですね。

案件によりますが、工期が長いとぼくは通常日足を確認します。

日足は1週間で5本、1か月で20本、1年で240本ですよね?

だいたいぼくはその絵の中で、PCいっぱいに広げて180本くらいを見る視点をベースにしています。

つまり9か月ですよね。

この9か月という景色に、特に為替取引執行上の戦略的な意味合いはありません。

自社製品の工期から設定される入金スケジュールが、この幅に収まることが多いってことはありますけどね。

ただ、工期が長いからといって高額な製品になるというわけでもないので、そのへんは都度リスクをどのくらいとれるのかを考えながら対応しています。

じゃあなぜ9か月かというと、これは単に上層部に報告しやすいからなんですね。

9か月って要は、期初であれば第3四半期末までが見通せる視点なわけです。

なにかと、決算の話まで持っていきやすいんですよ。

実需FX|まとめ

ドイツ首相は、世界一ビールが似合うんですよね(^^)

さて、いかがでしたか(^^)?

今回は、なかなかリアルな商習慣のちがいについて書いてみました(^^;)

まぁこういう話も、最終的には毎日のルーチンの中に埋没していくものではあるんですけど、やっぱり今でも、事あるごとに考えることではありますよね。

どんなことを考えるかというと、決済権限と担当の真の力量、というテーマについて、です。

決して全く考えなくなるということはないし、これは今後もずっとそうだとおもいます。

そういう中で、それでも周囲に自身のやっていることを認めさせるためには、結果云々で変にスタンスを変えたりしない様子を常に見せていく姿勢が大事ですよね。

このへんの話は、決してビール飲んで

「さくっと忘れておこう!」

で終わらせられるものではないですからね。

そこは、ぼくは入社以来、一度もそういう頭の整理の仕方はしたことはありません。

真正面から向き合っておかないといけない問題で。

職場では正直、その試行錯誤を「ショー化」するような時もあります。

つまり、実際にはそこまで深刻なのではなくとも、ちょっとそういう素振りを見せておく、みたいなことですよね。

こういうのは、世のサラリーマンは皆そうだと思いますが、組織人ならではの事情かな、と思います。

・・・いよいよ全体的に、1段掘り下げた話を展開できるようになってきたかな、このブログ。

実需為替取引って、わりと特徴的な条件下で執行されていくものなんですよ。

新たな投稿記事については、今後も乞うご期待。

と、いうことで、これからもよろしくお願いします(^^)b

Dakar

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