イールドカーブって知ってますか?もし知っていたとしても、イールドカーブの知識を正しくFXに生かす方法を知っていますか?そもそも、イールドカーブっていったいどんな意味合いがある曲線なのでしょうか?この記事では、イールドカーブをトレードに役立てる際に必要になる知識体系と、そもそもイールドカーブとは何なのか?というところを、書いていってみようと思います(^^)
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目次
イールドカーブをとりあえずざっくり
イールドカーブは、簡単に言ってみれば各期間の債券利回りをつなげた曲線です。
日本語で「利回り曲線」ですね。
なんですが、これだけでは簡単な説明だけどまだ「?」だと思うので、掘り下げて書いていこうと思います。
イールドカーブは縦軸が「国債利回り(金利)」、横軸が「債権満期日までの償還期間」なんですね。
つまり、タテ方向に上がれば上がるほど利回りが大きく、下がれば下がるほど利回りが小さくなるってことです。
また、右方向に行けば行くほど、より長期の金利になるってことです。
例えば、償還期間の短い国債の利回りよりも、償還期間の長い国債の利回りの方が高い状態の時には、イールドカーブは右上がりの曲線となります。
利回りっていうのは、言ってみれば「どれだけ儲けられるか?」っていう数字です。
そして金利ですが、金利は大きく分けて「短期金利」と「長期金利」に分けられるんですよね。
とりあえず、分けられるってことだけ書いておきます。
分けられるから、イールドカーブみたいなグラフが存在するわけです。
ヨコ軸が償還期間ってことは、そういうことですよね。
イールドカーブの横軸は時間じゃない
うーん、これは書いてて思うんですが、わりと専門用語みたいなものが多いですね、イールドカーブの説明って(^^;)
まぁ、ひとつひとつ行きましょうか。
まずお伝えしたいのは、こういうグラフって、無意識的にヨコ軸が時間の経過だと考えてしまうことが多いって点です。
イールドカーブは、あくまで償還期間がヨコ軸なので、そこは気をつけましょう。
何を隠そう、ぼく自身、誤って認識していた時期があったので。笑
入社してしばらく、イールドカーブのヨコ軸は時間だと思っていたんですよね。
ドル円チャートと並べて見たりしてて、「相関があるのかなー」みたいなことをぼやいてて、思いっきり「それはちがうぞ」と突っ込まれたことはよく覚えています。
ぼく的には、「ちょっとだけちがう」、みたいな意味合いかと思ってたんですが、もう全然違かったわけです。
つまりそれは、「根本的にちがうぞ」という意味合いだったわけで。
イールドカーブは長期金利ほど右
書きやすいのでこのへんの話から書きます。
イールドカーブのヨコ軸の話ですね。
イールドカーブの横軸は債権満期日までの償還期間、と書きましたが、つまりはこれは国債を買ってから戻ってくるまでの期間です。
満期に額面金額が払い戻されることを「償還」と言うんですね。
銀行預金なんかは満期を迎えても償還なんて言い方はしないので、ちょっとむずかしい言葉のように感じられてしまうかもしれません。
が、普通に「お金が戻ってくる」と考えてOKです。
イールドカーブのグラフでは、その「戻ってくるまでの期間」が、右に行くほど長いってことです。
だから、左に行くほどより短期の国債の金利を表すことになりますし、逆に、右に行くほどより長期の国債の金利を表すことになるんです。
ここまで、いいでしょうか?
イールドカーブと国債利回り
次です。
次はイールドカーブのタテ軸の話です。
縦軸は国債利回りと書きましたよね。
利回りっていうのは、その国債をホールドしてて、同じ期間でどれだけ利息をもらえるか?です。
つまり、この数値は高ければ高いほど、その国債を持っている人に利益をもたらすんですね。
利回りについてもよくなかなか理解が進まないという方がいますが、基本は需給で考えればわかりやすいとぼくなんかは思っています。
その国債を持っている人が多ければ多いほど、利回りは下がるんですね。
これは、言ってみればその国債が「人気だから」です。
まぁ、競馬と同じですよね。
1番人気の馬の配当金は少ないじゃないですか。
あれと同じです。
高額配当の馬に掛けるっていうのは、ほぼイコール「大穴狙い」ってことですよね。
国債も同じで、後進国の国債なんかはとても利回りが高いんですが、それだけリスクがあるわけです。
ブラジルとかメキシコとか、ぜひ調べてみてください。
時期によって変動はしますが、総じて、アメリカや日本などと比べ、明らかに高いはずです。
これは、デフォルトにされてしまう可能性が、金融先進国よりも相対的に高いってことの裏の側面なわけです。
イールドカーブは米国債で理解を
さて、例としてさらっとアメリカという国もとりあげてみましたが、ブラジルなんかと比べると、要はアメリカはリスクが低いと見られているってことですよね。
アメリカは「なんだかちょっと安心な国」なわけです。
ちょっと安心な国の国債は買われます。
なので短期長期関係なく、イールドカーブのグラフはちょっと高い水準で水平になりそうな感じがしますが、それだと話が進まないので、ここらで「FXに役立つ話」のほうに舵を切ることにします。
やっとか!と思いました?
すみません(^^;)
じつは、冒頭の例え話の状態が、キーになってきます。
「償還期間の短い国債の利回りよりも、償還期間の長い国債の利回りの方が高い状態の時には、イールドカーブは右上がりの曲線」となる。
これですよね。
これ自体は、ここまでの話からすると当たり前ですよね。
イールドカーブは縦軸が国債利回りで、横軸が国債の償還期間なので、そうなるわけです。
トレーダーに必要なのは、「その状態を確認することが、どうFXに役立っていくのか?」という見識です。
イールドカーブの状態
この点を掘り下げて書くために、まず先に、イールドカーブの状態を表す用語をいくつかご紹介します。
イールドカーブにはいくつか決まった形状や変化の傾向があるんですね。
まず、右上がり状態です。
右上がりの曲線になっている状態は、順イールドカーブと呼ばれています。
これは、さっきの話に出てきたような状態ですね。
一方、この逆で、右下がりの曲線は逆イールドカーブって言います。
あと、償還期間が短い債券の利回りと償還期間が長い債券の利回りの差が小さくなるとイールドカーブは緩やかになりますよね。
こういう傾向なんかは「イールドカーブのフラット化」と表現したりします。
フラット化って、つまりは「平になっていってるよね」ってことです。
逆に償還期間が短い債券の利回りと償還期間が長い債券の利回りの差が大きくなるとイ-ルドカーブが急になります。
これは「イールドカーブのスティープ化」と言います。
スティープ(Steep)って、急勾配ってことですね。
スティーブ(Steve)じゃないです。
スティーブと言ってしまうと、「それ誰?!」という話になるので気をつけましょう。笑
イールドカーブの正体
とある国債においてイールドカーブのグラフを作ってみた時に、その状態が順イールドカーブならば、それは将来その国の金利が上昇することを示唆している、というのが、よく言われていることです。
FXをするにあたって、この話の行き着く先は、「だからその国の通貨を買う方向のトレードをするといいよ」というものです。
米国債のイールドカーブが順イールドカーブならば、USDを買う方向で考えた方がいいんだよ、ということです。
将来的に金利が上昇すると言われる所以は、短期金利よりも長期金利の方が高くなっているからです。
短期金利は中央銀行が決めている一方、長期金利は市場原理に委ねられていますからね。
当然、時間の流れの中でいち早く反応するのは長期金利なわけです。
景気動向により敏感な長期金利が上がっているということは、全体の雰囲気が利上げに向かって行っているということなんですね。
反対に、逆イールドカーブは金融緩和に向かって行っていると言われています。
右下がりの曲線である逆イールドカーブは、長期金利よりも短期金利の方が高いため、将来的に金利が下落すると考えられているんですね。
イールドカーブで相場環境認識
イールドカーブは、中期以上のトレーディングに役立つものです。
ぼくみたいな短期トレーダーにとっては、イールドカーブは相場環境認識のための材料ですね。
イールドカーブが強く意識された相場で、直接それだけをスキャルピング開始の判断根拠にするというようなことは、今まで一度もしたことはありません。
ぼくが相場環境認識のために重要視しているのは、イールドカーブのスティープ化とフラット化です。
スティープ化って、償還期間が短い債券の利回りと償還期間が長い債券の利回りの差が大きくなることでした。
こうなってくると、当局は金融引き締めに乗り出していきますよね?
つまり、短期金利の上昇は中央銀行の利上げにつながるので、当該通貨が買われる材料になるんです。
一方、インフレっていうのは長期的には通貨安の要因です。
市場のコントロールがうまいこと行かず、相場に「インフレになりそう」な空気が流れたら、その当該通貨は売られます。
順イールドカーブがスティープ化すると、金融マスコミなんかはそのことを記事にしたりもしてきます。
そうすると、そういうのが話題になって相場が動く、ということも多いですね。
そんな感じのイメージを持っています。
ぜひ一度、米ドル、ユーロ、日本円の3通貨のイールドカーブを少し昔までさかのぼって調べてみてください。
三者三様のこれまでの歴史があるので、なかなか勉強になりますよ(^^)
イールドカーブと景気サイクル
イールドカーブは景気循環と密接な関わりがあります。
このへんの話も少し。
スティープ化していく過程
とある国が不景気に陥っていたところ、ようやく当局や政府筋の努力で景気が持ち直してきたとします。
景気回復初期は、景気後退期の終盤から景気回復の初期にかけて、まだ金融緩和が続いてるんですよね。
なので政策金利の影響を受けやすい短期金利は低下しますが、長期金利はもうあまり下がらなくなります。
そのため、イールドカーブはスティープ化して急勾配になります。
価値が下落し、短期債の価格が上昇して、利回りは低下する強気相場ってことですね。
そしてこのまま順調に行けば、景気は拡大していくこととなります。
景気が回復して拡大期に入ると、資金需要が増して長期金利が上昇を始めるんですね。
一方で政策金利は据え置かれるので、短期金利はあまり変わりません。
その結果、坂の頂上付近が高くなることで、イールドカーブはまたスティープ化します。
長期債の価格が下がる弱気市場になるからです。
さっきとスティープ化の要因がちがうんですが、同じように急勾配になるってことですね。
フラット化していく過程
そして、景気拡大が終盤に差し掛かってくるとします。
景気が過熱気味になると、今度は金融引き締めで政策金利が上昇する一方、長期金利はもうあまり動かなくなるんですね。
その結果、長短金利の差が詰まってイールドカーブはフラット化します。
短期債の価格が下がるためです。
この時点ではまだ右肩上がり状態(順イールドカーブ)です。
こうなってくると、銀行は短期債券で資金を調達して長期の貸し出しを行いその金利差で稼ぎます。
でも、金利がフラット化するとその旨味が薄くなるので、あまり積極的には融資を行わなくなります。
これは次に来る景気悪化の一因と考えられます。
景気が悪くなると製造業の設備投資などの資金需要が後退したり、インフレ期待が後退したりするので、長期金利は下がります。
一方で短期金利はまだ反応しないので、坂の頂上付近が低下してイールドカーブはさらにフラット化します。
長期債の価格が上昇するんですね。
これは、さっきのフラット化より、より水平に近い方向に変化する、ということです。
このように、イールドカーブと景気サイクルは連動していると考えることができるんですよ。
必見!イールドカーブの確認方法
単にイールドカーブについて書いても実際に見ることができないんじゃ意味がないので、米国債のイールドカーブの情報源をご提供しておきますね。
⇒U.S.Department of the Treasury
アメリカの財務省のサイトです。
ここに、こういう表があるんですね。
日付の欄に並んでいるのが利回りですね。
グラフ化されてはいないですが、イメージはできると思います。
一番左、1Moは、1か月国債の利周りで、一番右、30Yrは30年国債の利回りってことですね。
ぼくの場合は、さすがに毎日は確認していませんが、職場で一定期間見ないような時期があると、気になって自宅で見ることがたまにあります。
ぜひご活用ください。
まとめ
イールドカーブに的を絞って記事を書いたら、思いっきりファンダメンタルズの話のオンパレードになりましたね。
まぁ、予想通りだったんですが(^^;)
基本的に、イールドカーブは、突発的な材料表出時以外は、中期以上の時間軸の話です。
紹介した米財務省のサイトでは30年利回りまで数字が見れるわけですが、そこまで長くなくても、10年利回りくらいまで見れば、FXトレーダーの相場観は問題なく養えます。
あと、本来は市場原理に委ねられるはずの長期金利まで制御下に置こうとする当局なんかもあります。
これは、他ならぬ日本銀行なんですね。
「イールドカーブコントロール」でぜひ検索してみてください。
いろいろ出てくるはずです。
最後に、ですが、この記事のタイトル、「イールドカーブをFXに生かす唯一の方法」というのは、本記事全体の話です。
イールドカーブの話って、かみ砕けば国債の利回りや景気サイクルの内容になるので、長期的な視点の話なんですね。
FXで実際にトレードをするためには、相場環境認識→トレードの順番は絶対、でしたね。
短期トレードをするなら、イールドカーブによる相場環境認識って、通貨ペアの分析というステップよりさらに手前なんです。
ひとつの通貨のファンダメンタルズの話ですからね。
トレードをするところまでなんて、まず行かないような段階の話です。
このへんをどう捉えるかは、この記事を読んでいただいているみなさんにお任せします。
言ってみれば、イールドカーブの知識なんて、なくてもやっていけます。
ですが、知識があれば、要所要所でトレーディングに至るまでの複数の相場環境認識のひとつに組み込むことができるわけです。
しかも、ファンダメンタルズ要因なので、他の材料との相関を考えやすいという利点もあります。
そのへん、「努力は自由」ってことですね(^^)
Dakar
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