高速道路なんかは未だに国有企業ですが、国内では昔からの建設業、製造業の企業は、民営化の道をたどってきた会社もたくさんありますよね。さすがに民営化以降は霞が関との関係は薄くなっていったわけですが、国有企業やかつて軍需産業に関わっていた会社というのは、国とのパイプはかなりきちんと存在していたそうです。そういう中では、当然のように、中央銀行が紙幣の輪転機を回すタイミングも漏れ伝わっていたんですね。こんな話は、ぼくはわりとしょっ中耳にします。今回は、円相場と政治の裏事情なんかも含め、その関係についてざっくり書いてみようと思います(^^)
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目次
書ける範囲で?
今回の話についてなんですが、このテーマについてはけっこうぼくっぽい記事かなと思っています。
思いっきり平日昼間のぼくの立場でこれまで見聞きしてきたことを記事にして発信してしまおうということなんですが、これはそれなりに言葉を選んで書き進めていくことになります。
だからと言って嘘の内容を書くわけじゃなく、あくまで真実を書いていくんですが、それができるのは、現状の為替相場をとりまく法規制やディーリングの実態を、一応は把握している身だからです。
バランス感覚を持っている立場で書いていくならば、為替取引に従事する方々に、いつの日かこの記事を読んでいただくことになっても、この程度の情報を公開したからと言って、今の時代に不利益を被る人はまずいないだろう、と。
そういうことを、一応は理解しているということを、先に書かせていただきます。
関係者の方々、その上で、もし本記事の内容は「やはりまずい」と感じたようであれば、その時はこの記事のコメント欄にメッセージをください。
その時は、記事中の問題のある表現を修正したいと思っています。
すべては自民党ベース
さて、まずは政党の話です。
過去の解散総選挙においては、金融市場や為替相場への影響はまちまちで、特に一貫した「傾向」はみられないです。
これが今現在のぼくの政治と為替相場についてのリアルな分析結果です。
ただ、ここ数年の為替相場についていえば、2012年第2次安倍内閣以降の2回の衆議院選挙では、安倍さんの勝利は円安につながっているんですね。
2012年、民進党(当時は民主党)の野田政権から安倍政権へと政権が交代したいわゆる「近いうち解散(2012年11月16日)」では、選挙が実施された2012年12月16日以降の3カ月間で、ドル円は84円台から95円台まで上昇したんです。
また、2014年11月21日の「アベノミクス解散」では、消費税率10%の是非が争点となりましたが、選挙が実施された同年12月14日から3カ月間で、ドル円は118円台から121円台まで上昇しています。
自民党が与党だと円安?政治とFXチャートの相関を見てみよう!
このへんの話は↑こっちの記事にくわしく書いているので、ぜひ読んでみてください(^^)
アメリカ政府と自民党
バイデン大統領誕生間近ということで、今のところの彼のドルに対する考え方を知っておきましょう。
◯トランプ大統領ほどに「強いドル」を掲げていない。
◯中国との貿易においては、トランプ大統領以上に人民元安を認めないかもしれない。
まずは、方針からの推察としては、こんなところかな(^^) pic.twitter.com/gGRj5QAqq9
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) November 6, 2020
さて、一方、ホワイトハウスです。
米国政府は現在、自動車の輸出入分野でもっと公平な貿易を求めていて、「日本が国際収支のバランスが均衡に向かうことを妨げ、不当に競争力を強化するため現在行っている為替レートの操作をやめさせることを必ず実現させる。」としています。
例えばこれとか、どう思います?
円相場のファンダメンタルズを少しでもわかっている方にとっては、すぐにこの発言自体がおかしいということがわかるとおもいます。
なぜかというと、日本において、当局はそもそも為替レートをそこまで意図的に操作しようとはしていないですし、そうとられるのだとしても、その目的は海外勢との競争力を強化するためではないからです。
当局というのは、日本銀行ですね。
日本銀行は確かに通貨安に誘導しようとしています。
が、それはレート操作ではないです。
さらに、目的は、物価を一定のラインに持っていくことです。
金融政策の目的が「物価の安定」であることは明確にBOJ自身が掲げているんですね。
アメリカの財務長官なんかは「日本政府が外国為替市場への介入を行えば、それらすべてが通貨操作として認識されかねない」とまで暗に言及してます。
これはクギをさしてるわけですよね。
「お前ら、中国で手いっぱいのこの時期に、変なことするんじゃないぞ?」と。
こういう、ちょっと反論したくなるような話についての対応は、自民党がうまいんですね。
円相場に一番介入したがる国はアメリカってことだけは、覚えておきましょう。
どんどん安くなっていった日本円
大きな変動を伴う通貨の価値ですが、歴史を紐解くと、なんと1ドル1円で交換されていた時代があったって知ってました?
驚くべきことですが、それは日本が開国した当初です。
開国って、いきなり日本史の話がはじまっちゃいましたが(^^;)
その値段が適切かどうかは別として、当時、円はそれくらい高い通貨でした。
しばらくは1ドル1円ぐらいでしたが、次第に円は安くなっていきます。
国債を増発して戦争ばっかりしたのだから、それは安くなるに決まっていますね。
でも、戦争だけが通貨安の原因ではありませんでした。
わずか数年で2分の1の値段、つまり1ドル2円から4円へと円安になったタイミングもあったんですね。
それはいつ頃かというと、関東大震災の頃です。
1929年に起こった世界恐慌の余波を受けて日本にも昭和恐慌が襲いかかり、時の大蔵大臣の高橋是清が大量に国債を発行してこの国難を乗り切りました。
当時も今も高橋是清は日本の危機を救った人物として尊敬されています。
この時恐慌を乗り越えた政策は、今世界が行っている金融緩和の源流なんですね。
日本も中国もいっしょ?
ちなみに、日本の技術力が軍事利用されるということが、「良くないこと」として描かれましたよね。
が、例えば、「風立ちぬ」をどう思います?
首席で東大卒の三菱社員は、国費の援助で零戦を開発。
実は技術力を高めるのは戦争だったり。
最終章は、重厚長大の話みたいですね(^^)#ハゲタカ pic.twitter.com/l3hdVXPTin
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) August 23, 2018
↑これは、ドラマハゲタカが放映されてた時のツイートですね(^^;)
もうちょっとこの歴史の話をつづけてみましょうか(^^)
1931年、イギリスが金本位制を停止し、濱口の後を継いだ若槻内閣から政友会の犬養内閣へ政権交代すると、日本も金本位制から離脱し、銀行券の金への兌換も停止しました。
これによりさらに円が下落し、1932年夏には100円=30ドル前後、1932年暮れには100円=20ドル前後にまで大幅な円安となり、物価が上昇。
円安の背景には単に金兌換停止の影響のみならず満洲事変・第一次上海事変で日本の信用が失われた事情もあります。
一方で円安が輸出に好影響を及ぼして日本からの輸出が拡大し国内の景気は回復しましたが、これがダンピングであると世界的に非難されます。
その結果、不況に喘ぐ列強各国が経済のブロック化に動き、日本は世界経済から排斥され苦境に立たされたんですね。
これ、細かいところには目をつむるとして、だいたい今の中国と同じです。
今はアメリカの大統領が人民元が安すぎると言ってわめいてますよね。
これと全く同じことを、当時の日本も言われてたんですよ。
1932年には1ドル=3.3円くらいだったのが、1941年には1ドル=4.2円程度になったんです。
今の感覚で考えるとものすごい円高の水準ですが、このチャート変動は当時としてはめちゃくちゃな円安方向の変動だったらしいです。
自国通貨の国際競争力が強ければ政治的には有利ですが、経済界は通貨安のほうが潤うわけです。
これが「ズルい!」と思われてしまうのは、今も昔も一緒ってことですね。
1941年に日本が太平洋戦争に突入していったさまざまな要因のひとつには、じつはドル円チャートの暴騰という理由もあったということです。
三井住友銀行は円相場理解に優位?
日銀の雑学。
日本銀行を空撮すると、屋根が「円」になってるって、知ってました(^^)?#BOJ#FX pic.twitter.com/w3aGWZnrMS
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) September 1, 2018
BOJ、つまり日本銀行について、ちょうどいいのでこの際に知っておきましょう。
日本銀行の歴史は、1800年代にまでさかのぼります。
まず1872年、国立銀行条例が制定されました。
数年後にこの条例が改正されて、不換紙幣の発行が認められたことが一因となって、インフレが進行したらしいんですね。
このときに、これじゃマズいということになって、とある大手銀行の為替方を廃止してつくられたのが、日本銀行だった、という経緯です。
このときの大手銀行というのが、今の三井住友銀行の元々の出自、三井銀行です。
じつは、中央銀行の原型を紐解くと、現在のメガバンクの一角に行き当たるんですよ。
余談ですが、こういう経緯がある都合、今でもなにかと三井系社員の為替事情に対するプライドは、いたるところで目立ちます。
これはおそらく、普通に預金者としてSMBCの窓口に赴いたりしているだけじゃわからないとおもいますが、意図せずとも、業務として何かと他行と同時並行でコンタクトをとったりすることが多い輸出企業や商社の社員などは、だいたい皆感じていることです。
こういうのは、普段はあまり当事者のバンカーは意識しないそうなんですけどね。
そして、こういう経緯があるので、三井住友銀行の円相場分析には、今でも定評があるんですよ。
他行との違いをどれほどに生み出すことができているのかという点は、ぼくの立場からはわかりません。
が、少なくとも業界内では「そう言われている」ということを知っておくだけでも、意味があるかなと思ったので書いた次第です。
これは、たとえば同じ時期のメガバンクの為替相場分析で、正反対の予測をしているような時とかですよね。
みずほと三井住友だったら、三井住友の言ってることに従うほうが、若干優位性があるということです。
癒着する政治家と製造業
変動相場制においては、要人発言も通貨政策のひとつです。
意外とこういう認識って持ちにくいんですよね。
要人がマスコミのマイクの前で何か通貨絡みのことをしゃべったからチャートが動いた、という認識は、じつは違います。
チャートを動かすべく、あえてそうしゃべった、ということです。 pic.twitter.com/0vHDrHDiGp
— 大手企業為替担当DakarのFX雑記! (@111coffeeBreak) December 5, 2018
あと、例えば経団連ですよね。
経団連っていうのは、正式名称・日本経済団体連合会です。
日本商工会議所、経済同友会と並ぶ「経済三団体」の一つで、東証一部上場企業を中心に構成されてます。
02年5月に経済団体連合会(経団連)と日本経営者団体連盟(日経連)が統合して発足。
元々が、日本の経済政策に対する財界からの提言及び発言力の確保を目的として結成されてます。
経団連は長年、自民党への支持と政治献金を行なっていて、政治的にも強い発言力をもつとされているんですね。
経団連所属のメーカーがこぞって円高方向に想定為替レートを設定しはじめたら、ちょっと注意したほうがいいんです。
これは先行き暗いってことなので。
経団連と自民党とのパイプはわりと太いです。
物申すための組織でありながら、その歴史は長いんですね。
国内の癒着によくある構造ですが、政治家と話をつづけたりしていくうちに、偉い人たちっていうのは、「俺たちみんながんばってるよな」の雰囲気で意気投合していくものです。
あまりここのところを強調しすぎるのも百害あって一利なしなのでこれ以上書くのはやめますが、こういう場で財務大臣の意向とかをなんとなく察知した大手メーカー社長が、短期でドル円を落とす発言が近い日にあると踏んで、客先との交渉を早めにまとめる指示を出した、なんて話はたまに聞きます。
こういう大臣の発言とかは、全然違法行為でもなんでもないですからね。
むしろ、真っ当な公開市場操作のひとつなんです。
一利なしとか言いつつ、ガンガン書いちゃってますが。笑
まとめ
さて、いかがでしたか?
最後の話あたりは、もちろん、国内メーカすべてにあてはまるわけではありません。
そういう側面もあるという話です。
例えば製造業に関して言えば、日本が一時ものづくり大国と呼ばれていたのは、明らかに、第一に手先の器用な民族的な特性に起因していますよね。
そこは疑いようのない事実です。
でも、「手先が器用」とか「実直で真面目」なだけじゃ、世界的なブランドにはなりえなかったんじゃないかな、とぼくは思うわけです。
そこにはやはり、リアルな話として、うまーくマネーを転がしてきた歴史があって、そのひとつがこの為替取引に纏わる話なんじゃないかな、と。
こういう記事を書くと、ぼくが何かとてもえらそうな人に見えちゃうかもしれませんが、極普通なサラリーマンですからね。
ただ、普通なサラリーマンでも、日々聞こえてくる話や、仕入れる情報から、だいたい「そういう類の話の真相」がわかってくるじゃないですか。
そういうのって、ありますよね?
ぼくの場合は、たまたまそれが為替取引というちょっと興味を持たれやすい事象だった、ということですよね。
この記事を読んで、ちょっとでも、円相場への理解を深めていただけたらうれしいです(^^)
Dakar
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