スリッページとは、FXの注文の約定時に生じる発注レートと実際に約定したレートとの差のことをいいます。
流動性が抜群、なんていう謳い文句も見られるようになった最近のFX会社。
でもその反面、FXトレード時にスリッページが発生して不本意な損失を負うことがあります。
売買の内容にもよりますが、今回の記事ではごく普通の一般的な手法で売買しているトレーダー向けにFXの世界における流動性と板の厚みについて書いていきたいと思います。
今回の記事の内容はぼくがFXトレードをはじめるときにいろいろとFX会社について調べたときのメモから抜粋しました。
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目次
FXでなぜスリッページが発生するのか
ユーロドルでポジションを建てたらスリッページが発生して約定してしまった。
スプレッドを考慮しても明らかなスリッページであり、業者の嫌がらせのように感じた、なんてことはありますよね。
かろうじてスプレッドとズレが埋まり、建値で決済して痛手は無く済んだけど、今後もこのようなスリッページが発生するかと思うと不安になるんですよね。
人間は漠然とした事や知らないことに対しては不安を抱くものです。
これはFXをするときも同様なんですね。
ということで、なぜスリッページが発生するのかを流動性という面から見てみようとおもいます。
流動性の濃い通貨ペアを選びましょう、という当たり前の話は割愛します。
スリッページの原因その1「流動性と板の厚み」
流動性という言葉の意味は、いつでも好きなときに交換ができるかどうか、ということです。
例えば不動産は流動性が極めて悪いですよね。
好きなときにすぐに買ったり、即売り払ったりすることは出来ません。
間に法的な手続きも絡むし、金額も大きいためホイホイと不動産を買ったり売ったりするのは困難です。
では日本円という通貨はどうでしょうか。
これは流動性は抜群に高いといえます。
いつでも好きなときに商品や物品と交換が可能で、国内のあらゆる取引が日本円で行われているからですね。
これと同じようなことがFXの世界にも言えるんです。
FXの場合は、自分が持っている交換レートと交換してくれる人がどれくらいいるのかが流動性の意味合いになります。
そして、この流動性を視覚的に分かりやすくしたのが「板」ですね。
FXにも板が存在する
板は株取引をやった人には馴染み深いと思います。
が、FXには基本的にこの「板」という機能はまだまだ一般的ではなく、一部のトレーディングツールなどで提供されているだけです。
この板に表示されているのは、その価格レートの流動性の供給元であるリクイディティプロバイダー(LP)と、掲示しているレートと供給している流動性の量です。
話を簡単にすると、1.10002のように、サイズが30万しか無い部分は「板が薄い」ので、自分が注文を出している間に他のトレーダーに注文を先に取られて、約定するレートが滑る可能性が高いんです。
逆に1.10000は複数のリクイディティプロバイダーが流動性を供給していて、滑りづらい可能性が高いです。
ただ、大台は現在も意識されやすいレートであるため、トレーダーの売買も活発化しやすいんですね。
LPの闇とスリッページ
以上のことから流動性の薄い、つまり板が薄いレートで取引しようとした時にスリッページが発生しやすいと言えるんですね。
でも、中にはかなり厚い板を提供しているにも関わらず、滑る業者も存在するんですよ。
調べた限りでは板情報に存在しない流動性を表示させる技術などが存在するようで、外見上の流動性は抜群でも実際には「何も供給していなかった」なんていう、なんちゃって業者も存在するんですね。
これは本当に許しがたいことです。
スリッページの原因その2「取引業者のサーバーとの距離」
コマンドプロンプト(cmd)というWindowsに標準搭載されているソフトには、Ping値を計測するコマンドが実装されています。
このCMDを使うことで、自分のPCから取引業者のサーバーに注文が届くまでの時間の目安を知ることが出来るんですね。
ちなみにぼくの環境では、香港のサーバーまでは往復120msで、ロンドンのサーバーには往復400~500ms掛かるんですよ。
これは裁量トレーダーにとっては、あまり問題にはならない部分ではありますが、手法によってはサーバーとの距離も結構重要なんです。
サーバーとの距離は近いほど良い
要するに、サーバーとの距離で発注までの時間が伸びるのであれば、サーバーとの距離は近いほど良いんです。
例えば、板の薄い価格で取引したいと思って注文をニューヨークに出します。
しかし、その間にニューヨークにいるトレーダーが同じ注文を出した場合、確実に注文を先取りされて流動性は消え、こちらは滑ったレートで約定するということになるんですね。
ただ、さっきも言ったとおり保有時間が15分を超えるようなデイトレやスイングでは、そこまで大きな問題にはならないと考えています。
でも、スキャルピングであればサーバーとの距離は結構気を使うべき部分だと思います。
スリッページの原因その3「OTC(相対取引)業者の闇」
直近の事例で言えば、楽天FXの1500pips異常レート配信が代表例ですね。
ぼくは複数の海外FX業者のMT4をダウンロードしてチャートを見比べたことがあるので、OTC業者や悪質業者ならではの闇を知っています。
OTC業者は顧客と業者の間で取引を行っており、注文がインターバンク市場に流れることはありません。
つまり、簡潔に言うと顧客の利益は業者の損失であり、顧客の損失は業者の利益になります。
ということは、客側が優れた手法を使って利益を挙げるようになり、業者側の利益を圧迫するようになると業者は対抗策を打ち出すんですね。
それが楽天FXが行おうとした「ストップ狩り」や「意図的なスリッページ」です。
ストップ狩り時のスリッページ
OTC業者は顧客の注文の状況を把握しているため、逆指値注文(ストップロス)が集中している価格帯に対して、意図的に配信しているレートをズラすことがあります。
このズレがスリッページになります。
こうしてスリッページを発生させ、ストップロスが発動して顧客は損失を被り、業者は儲かるというわけです。
FX業者による意図的なスリッページ
FX会社の常套手段として、勝っている顧客に対しての対抗策があります。
勝っている顧客の出す注文は多くの場合、利益になってしまうので少しでも不利な条件でポジションを建てさせてやろうと、スプレッドよりも注文を意図的に滑らせるんです。
これは海外でも行われていることです。
しかも海外の場合は楽天FXのように露骨なやり方ではなく、もっと巧妙にシステム的に仕組んでいます。
例えば、0.05~0.1pipsだけスリッページさせるシステムなどです。
そのような小さな単位のスリッページは簡単には気づけません。
そして回数を重ねれば業者にとって確実な利益にもなるんですね。
特にキャッシュバックフォレックスなどを介する場合は、そういったプログラムが仕組まれている可能性が高いです。
FXのスリッページの原因である流動性と板の厚み まとめ
さて、いかがでしたか?
スリッページの原因である流動性と板の厚みを、ぼくのメモ帳からいろいろと抜き出して記事にしてみました。
やっぱり自分が口座開設するときに気になったことはこれからFX口座を開設する方々も気になる可能性が高いだろうなとおもったんですよね。
FX口座を決めるときの一助になれば幸いです(^^)
ちなみに、こちらの記事にスリッページ対策についてFX会社選びに絡めて書きましたのでぜひ読んでくださいね👇
Dakar
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