さて今回は、とある外資が為替相場で暗躍した話について書こうと思います。こういう話は、あとから判明する類のものですが、例え事後に知ったとしても、それを勉強の対象として、その後の投機筋の動きを読むことが可能になってくることもあります。歴史は繰り返します。気負う必要はないですが、きちんと話の真相をよく理解しきる腹積もりで、読んでみてくださいね(^^)
FXとウイリアムヒル
さて、今回はイギリスEU離脱のときのウイリアムヒルの話に焦点を絞ってみようと思います。
ウイリアムヒルっていうのは、サッカーのチャンピオンズリーグやプレミアリーグ、テニスやプロ野球など、さまざまなスポーツベットもできる、ブックメーカーの老舗ですね。
2016年のアメリカ大統領選挙のときなどは、ウイリアムヒルのオッズはヒラリークリントン氏が優勢だったと言われています。
ウイリアムヒルは、世界的に有名なブックメーカーなので、よく投機の対象にもなるんですよ。
イギリスのEU離脱
このウイリアムヒル、ブレグジットのときには、イギリスのEU離脱は「ない」のほうに賭けていた人が多かったんですね。
それを見てFXトレードに興じている過半数が投票前にポンドを買ったと言われています。
いわゆる仕込みですよね。
この仕込みというのは、当然、個人トレーダーのものも含みます。
ウイリアムヒルのオッズはオープンにされているので、誰でも見ることができるんですよ。
でも、フタを開けてみたらイギリスのEU離脱側の僅差の勝利でした。
僅差でも白か黒かの2択です。
オッズが高い方が勝ったことで為替相場では大量の損切りが発動したんですね。加えて新規のポンド売りのエントリーです。
こうしてポンドは急落するに至ったんです。
これがいわゆるオモテのお話。
ブレグジットの黒幕?
ここからは、このストーリーを投票日のかなり前から思い描き、見事その通りにして大儲けした外資のお話。
ある外資Aはイギリス政府高官とかなり密な関係にあります。
イギリスEU離脱の国民投票が行われることが決まったあたりから、外資Aは政府に盛んにコンタクトをとるようになったんですね。
そして遂に選挙結果は「イギリスEU離脱に賛成」側が勝つという情報を得たんです。
そこから外資Aの画策がはじまります。
予想を気にかける人は多いです
まずは有名ブックメーカーのウイリアムヒルで、外資Aの資金力にモノを言わせてことごとく「イギリスはEU離脱をしない」のほうに賭けました。
ここで大事なのはブックメーカーのマーケットというのは、為替相場と比較したら圧倒的に小さいということです。
この外資Aの行動により「イギリスはEU離脱をしない」のオッズはどんどん小さくなっていきました。
つまりイギリスは「EUに残る」可能性が高いと判断している人が多いように見せかけたんですね。
でもこのブックは外資Aにとってはじつは捨て金。
同時にその額よりも圧倒的に大量の資金を、ポンドドルの為替相場に投入したんです。
為替相場での大勝利
外資Aは「イギリスEU離脱に賛成」側が勝つということを知っているわけですから、当然エントリーはShortです。
しかもえげつないのは、「イギリスがEUに残る」と大勢が判断して、ポンドが上昇しきったあたりで大量に仕込むところです。
こうしてイギリスのEU離脱側の勝利確定後のポンド急落で、外資Aは莫大な利益を手にしたんです。
もちろん材料自体が非常に大きいですので、このブックメーカーをつかった外資の戦略がなくても、ポンドは大きく下落しただろうと言われています。
でも、こういうマネーゲームがあることでいっそう相場が賑やかになっているんだということを知っておくと、何かと役に立つものですよ(^^)
Dakar