こんばんは。
今回は、実需の話題も取り入れながら、年度末の為替相場の動向について考えてみたいと思います。
目次
週明けは先週からの流れを意識しよう
まずは先週のおさらいですね。
のっけからFXセミナーみたいなことを書いてしまいますが、週明けというのは先週からの流れを念頭において相場を眺めることが大事だとおもいます。
特にスキャルピングをすると決めている場合は。
先週はどうだったかと言うと、材料があまりない週でした。
銀行からの相場予想のレポートを見てもあまり決定的な助言がなかったのでトレードもとてもやりにくかったんですよね。
たとえば上のチャート、ユーロドルですよね。
ユーロドルはどんどん落ちる相場かと思いきや、水曜日の夜には切り返して上昇基調になりました。
ドル円は週明けから地味に下落し続けた感じでしたね。
結果的に週末にはついに112.00円を割り込みました。
トランプ大統領の材料とドル円相場
※2月27日(月)20時現在の個人PCのドル円チャート15分足。ぼくはなんとなく今日はボリンジャーバンドを表示しています。
この感触が先週の流れのイメージです。
じゃあ今週の前半あたりはどうなんでしょう。
たとえばドル円に関して言えば積極的に上昇するイメージはないんですよね。
というのもムニューチン米財務長官発の話題があるからです。
なにかと言うと、税制改革案の遅れのことですね。
トランプ米大統領が2月28日の上下両院での演説をめどに公表するとしていた「驚異的な」税制改革案が遅れる可能性が出ているんですよ。
トランプ大統領絡みではあと米国債務上限引き上げの期限がせまっている点を忘れてはいけません。
この期限というのは3月15日です。
さらに、この3月15日と言えば米連邦公開市場委員会がある日です。
Meeting associated with a Summary of Economic Projections and a press conference by the Chair. の日です。
記者会見なんですよ。
もっと言うと決算月の5・10日なので仲値にも注目したい日です。
そしてその動きを利用する可能性があるロンドン勢ですよね。
3月15日は会社休んで家でトレードしていたいくらいの日なんですよね。笑
相場環境認識とFXのトレードルール
話がヨコにそれました。
積極的にドルが買われるイメージはないという話でした。
ちょっと自分でも調べてみたんですが、今週はとある銀行も「ドル円は税制改革案の先送りによる失望売りで軟調な推移となろう」と予測しています。
やはりそうなんですよね。
なのでぼくはとりあえずは今の時点では今週の前半はドル売り目線で相場を眺めています。
そして、ここからはぼく自身のトレードのやり方についてもちょっと書いてしまいます。
どんなことかと言うと、「ある程度トレードをするにあたってチャート動向の予測のベースができたら、必ずそれとは反対方向に行く材料についても考えておく」というルールです。
ちなみにこのルールというのは、特にぼくの手法として具体的に列記しているわけではないので今回この記事に書いています。
なので「Dakarの手法」を購入いただいている方々にも納得いただけるかとおもっています。
ドル買い材料のひとつはアメリカの経済指標
ということで、ぼくの場合はこのルールに従って、「おそらく今週の前半はドル売り基調だろう」という予測の反対の材料を調べました。
これは大体いつも月曜日に勤め先でなんとなくやるんですよね。
週明けというのはいろいろな為替についての情報が職場に入ってくるので、そういうことがやりやすいんですよ。
これは大抵はファンダメンタル要因です。
ちなみにぼくは土日にFXのことを考えるときは大抵テクニカル分析をしています。
さて、ドル売りと反対のドル買いの材料ですが、いくつかあります。
まずここ数週間のアメリカの経済指標がわりと良いということですよね。
これはあまり意識していない人も多いですが、経済指標というのはファンダメンタルそのものです。
どうしてもあらかじめ時間が決まっているので突発的なイベントのように感じられて、ファンダメンタルというイメージがない感じなのですが、「経済の指標」というだけあって今後の当該国家の景気を占っているわけです。
これはひとつの経済指標だけたまたま良かったとかいう感じであればさほど注目しなくてもいいんですが、ある程度連続して良かったり悪かったりすると、「お、風向きがかわったか?」というように相場参加者は考えるようになるんですよ。
アメリカの利上げという材料は忘れるべからず
そしてドル買い材料の2つ目は、これは経済指標が良いという話に関係してきますが、3月のアメリカ利上げです。
やはりこれだけ大きな材料というのは、わかっていてもなかなか完全に織り込み済みになるということにはなりません。
たとえばドル円に関して言えば112円という節目ですよね。
今日現在この節目近辺をウロウロしている状況なので、今ドル買いが起こるとドル円はある程度上昇しやすいイメージです。
ドル円は節目節目で転換することが多い通貨ペアですからね。
3月1日に発表される米地区連銀経済報告、通称ベージュブックなどは注目すべき数字のひとつです。
このあたりの経済指標がいっきにアメリカ利上げの思惑を盛り上げる要因になる可能性もあります。
決算月の実需的な材料をご紹介
今週前半のイメージを全体的に書いたところで、最後に実需的な為替相場の見方です。
3月というのは基本的に決算に向けて為替取引の絶対量が増えます。
これは現役の為替担当の身から言わせてもらえれば、さまざまな為替関連の実務が増えるからです。
そのタイミングというのは企業によってまちまちなので全くわかりませんが、ある程度商習慣的なものはあります。
そのひとつが「その月の受払いにしたい、という月が決まっている場合は当月の月初に取引をする」というものです。
それが今週水曜日の3月1日なんですね。
まぁこれは考えてみれば当たり前で、要は年度内予算で為替取引をやっておいてしまいたいんですよ。
他の通貨の材料やテクニカル要因によって見えにくいときもありますが、為替業務をしているとあからさまなその手の動きを感じることがあります。
日中なのでトレードはできないんですけどね(^^;)
日本の輸出企業のレパトリ
つまりすでに為替取引をしなければいけないという案件が2月までにたまっていて、しかもそれをどうにか3月中には決済する必要があるから、3月に入った瞬間にディーリングをしてしまうわけですね。
その理由はさまざまなので一概にドルが買われやすいとか売られやすいとかはわからないですが、わかっているのは為替取引の絶対量が増えるということなんです。
それからこれは3月全体を通しての傾向ですが、3月は期末決算に向けた日本の輸出企業のレパトリ関連の円買いがチャート上に散見されます。
これなどはおもいっきり年度末要因ですからね。
レパトリというのはレパトリエーションの略称で、企業などが海外に投資していた資金を本国に戻すことをいいます。
英語で書くとRepatriation です。
本国送還という意味ですね。
要は3月は日本の会社がドル建て資産を売却して、財務諸表にのせる自社の財務状況が少しでも良く見えるように円買いをすることが多いわけです。
これが実需の真骨頂です。
そして最後に一応書き添えますが、3月も5・10日の為替取引が注目すべきという点については言うまでもありません。
むしろ1年で一番5・10日に注目すべきなのが3月だとおもいます。
仲値公示におけるドル買いを利用したトレードについてはこちらの記事をぜひ参考にしてくださいね👇
まとめ
さて、いかがでしたか?
今日はちょっとタイムリーな記事にしてみました。
ぼくが普段トレードをする上でどんなふうにFXについて考えているのかもすこし書けたかなとおもいます。
こういう記事を書くといちトレーダーとしてはやっぱりおもってしまうんですが、トレードは自己責任でおねがいしますね。
記事の内容はあくまで私見です。
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Dakar