世界一の取引高の市場ってニューヨークだと考えちゃいませんか?
じつは違うんですね。
かなり昔から外国為替市場で一番の取引高を誇るのはロンドンなんです。
ロイターが金融情報・報道部門で世界のマスコミの雄になっているのも頷けます。MT4の時刻表示がGMTベースなのにもやっぱり頷けちゃいます。
なぜロンドンの取引高は世界一であり続けるのか?
ロンドンの特徴を織り交ぜながら、その真相に迫ります。
ロンドン外国為替市場は永遠に不滅です!
変動相場制が始まってから今日まで、イギリス・ロンドン市場は変わらず世界一の外国為替取引高を記録しているんですね。
2004年の調査でも、世界の取引量のなんと31%がロンドン市場で行われました。
この割合は東京市場の4倍弱にあたります。
ちなみに1営業あたりの平均取引高は7,530億ドルほどです。これはものすごい数字です。
ロンドンは歴史的に国際金融業務の中心地として位置づけられ、世界の金融機関が進出してきました。金融街シティの威容はまだまだ健在です。
英国経済が停滞し、英国の国際的な地位が落ちてきても、ロンドン市場の地位は不変だったんですね。
なぜロンドン市場は未だにその地位を保っているんでしょう?
それは英国がロンドンを海外の金融機関の自由な活動の場として保証してきたことが大きいです。
たとえば国内の金融機関が国際金融業務で勝者になるような政策をあえてとらなかったんですね。
これは意図的なイギリスの政策だったんです。
太平洋がでかいからロンドンが盛り上がる?
そしてロンドン市場に取引が集中する要因はもうひとつあります。
それは地理的な要因です。
ロンドンはアメリカとアジアの中間に位置しているんですね。
東京市場をはじめ、中国、中東を含むアジア市場での取引を終えた機関のディーラーは、次のロンドン市場でポジション調整のための取引を行うんですよ。
また、ニューヨーク市場の早起きの大口ディーラーは朝一番の取引をロンドン市場で行います。
つまりロンドン市場は世界中の金融機関が日常的に取引する市場なんです。
そんなこと言ったって大西洋があるじゃないか、とお思いの方もいるとおもいます。
がしかし、そう思われる方はぜひ地球儀を見てみてください。
世界で一番横幅がでかい海は圧倒的に太平洋なんですよ。これは日本が真ん中にある世界地図を常日頃見ている日本人視点だとわかりにくいんです。
全世界の大陸をひとつの塊として見た場合、そのほぼ真ん中にロンドンがくるイメージですね。
一番端っこが太平洋です。大西洋などは北極から南極に行くための川みたいなもんです。
世界一のユーロダラー市場、ロンドン
まだあります。
イギリスは旧大英帝国のつながりもあり、アジア、オセアニア、アフリカ、南米など世界中の顧客と古くから取引関係があるんですね。
こうしたロンドン外国為替市場の特徴も世界一の取引高を記録する理由です。
ユーロダラー市場ってご存知でしょうか? ぼくの職場では日常的によく飛び交う言葉です。
これ、何かというと「米国外にあるドルの金融市場」のことなんですね。
ロンドン市場というのは世界一のユーロダラー市場なんです。
その理由もこういった古くから取引関係がある機関がロンドン市場で扱っている株や商品の売買を積極的に行う影響が大きいです。
通貨と株・商品は密接な相関関係にあります。
たとえばヨーロッパ諸国の株を買いたいときは、どの国のディーラーも自国通貨をユーロに両替する必要性がありますからね。
その場合は、ロンドン外国為替市場でユーロを買うわけですよ。
ロンドン外国為替市場の特徴 まとめ
たとえばFXでは通貨危機なんかはチャートが大きく動くときですよね。
通貨危機なんかも投機筋と各国の中央銀行との攻防の舞台がロンドンになるなんてことが多いんですよ。
これは比較的まだ発展途上で金融事情が不安定な国にイギリス絡みの国が多いことが一因です。
なんと言ってもUSDの前の基軸通貨がGBP、ポンドです。
こうやってロンドン市場の特徴を考えてみると、ユーロに移行しようとしないイギリスのプライドの理由がなんとなくでもわかってきませんか?
Dakar