先進国では主に変動相場制が採用されています。
この変動相場制の下では為替レートはどんどん変動していきます。
たとえば、貿易赤字が拡大したり経済成長率が低下した場合、当該国の為替レートは下落するんですよね。
為替レートが下落するとその国の輸出品の価格が下落します。
そうなるとどうなるか?
その国の輸出が勢いづくんですね。
そして貿易赤字が減少し、場合によっては貿易黒字になるなどして経済にプラスの影響まで与えます。
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通貨危機と為替 その1
為替レートの変動は本来こういうふうなビルトインスタビライザーの役割を果たしているとされているんですね。
ビルトインスタビライザーというのは日本語に翻訳すると「自動安定化装置」ということです。
ざっくりと言ってみれば上がりすぎたらちゃんと下がる、下がりすぎたらちゃんと上がるってことですね。
すごい言い方ですけど。
そしてそれにもかかわらず、通貨危機という経済現象は発生するわけです。
Currency Crisis ですね。
クライシスというといかにも大変なニュースのように感じます。
実際、通貨危機というのはとても重大な出来事なんですね。
通貨危機と為替 その2
通貨危機というのは「通貨が暴落することによって、逆に当該国の経済自体に悪影響を及ぼす現象」のことを言います。
通貨危機の場合は、為替レートの動きが逆に経済を悪化させるんですね。
ちなみにさきほどクライシスという言葉について言及しましたが、このクライシスという表現の多くは吸収できないほどの急激な変動のことを指します。
大幅な下落がまさに「危機」です。
特にマクロ経済の分野においてはその傾向が強い印象があるんですよね。
ちなみにFXをやるのであればマクロ経済の大枠は学んでおいて損はないですよ。
たとえばインフレーションやスタグフレーションというような言葉の意味をきちんと把握しておくと、日々の情報収集の際の理解度が違います。
通貨危機と為替 その3
さて、通貨危機というのは経済が吸収できないほどのレベルのものなわけです。
国際化された経済においては為替レートが経済全体に与える影響はものすごく強いです。
そのため、為替レートは国家的に重要な経済指標のひとつなんですね。
各国の通貨当局は、自国通貨の為替レートが乱高下したときなどには、自国の外貨準備をつかって為替介入も実施します。
為替介入と言えば最近でいうとスイスショックですよね。
スイスショックではかなりチャート変動が大きくなり、一般のニュースでも大々的に扱われていましたよね。
為替介入はそれだけ相場に大きなインパクトを与える判断なんです。
通貨危機と為替 その4
通貨危機はどんなときに発生するのでしょう。
通貨危機は通貨のファンダメンタルズと比較し、現在の為替レートが過大評価されているときに発生するんですね。
要は双方にギャップがあるときなんです。
これが主因です。
逆にギャップが全くないところに通貨危機は起こりようがないんですね。
通貨危機の性質は、時代に応じて変化してきたんです。
2000年代の通貨危機の筆頭と言えばリーマンショックですね。
「ショック」という言い方も通貨危機のひとつです。
リーマンショックをざっくりと表現してみれば「リーマンブラザーズが貸したお金が返ってこなさすぎてとうとう破綻してしまった」ことによる社会不安に端を発する通貨危機です。
大手の証券会社がつぶれたことで銀行に対しても不安が連鎖反応的に起きたりしたんですね。
これなどは全く新しいかたちの通貨危機でした。
通貨危機と為替 まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
今回は通貨危機について独自視点で書いてみました。
通貨危機と一言でいうと、わりとアジア通貨危機なんかを連想する方は多いと思います。
ただアジア通貨危機というのはタイの固定相場制の放棄が通貨暴落の発端ですからね。
今の為替相場の主流というのは変動相場なわけです。
少なくともFXは変動相場であるがゆえに成り立つ投資です。
通貨危機がトレードをする上で最も気になる不安要素だという方は多いのでテーマにしてみましたが、どうだったでしょうか。
ぼくの職場でも、配属された為替取引担当に必ず配られる冊子に大きく赤の太字で「通貨危機に対する備え」なるものが数ページにわたって綴られているんですね。
業務遂行においての危機管理の教科書のようなものです。
いつか「通貨危機などの暴落時にポジションを保有していた場合の対処の仕方」みたいな感じの記事も書いてみたいとおもっています。
これ、企業で為替業務をする人間にとってテッパンのやり方があるんですよ(^^)
P.S
「通貨危機などの暴落時にポジションを保有していた場合の対処の仕方」も書いた記事はすでに投稿しています。
↑こちらですね。
ぜひぜひ、読んでみてくださいね(^^)
Dakar
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