いつも通りチャートをしげしげと見ていると、なぜかいつの間にかダラダラとローソク足が下落しつづける展開になっていたとします。そんなときは、いつもより注意深くさまざまな為替ニュースに目を通してみるといいかもしれません。なぜかっていうと、自分というトレーダーはその時、とんでもなく「おいしい相場」を目撃している可能性があるからです。
そう、通貨危機ですね。
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目次
危機対策を、現場からこっそりお届け?
現場からこっそりお届け、なんて小タイトルにしましたが、この現場っていうのはぼくの仕事のことです。
つまり具体的に言ってみれば、実需為替取引とその確認作業のことですね。
実需の現場では、常に為替取引が発生しています。
為替取引って、昼間のぼくにとっては単なる決済のひとつの過程です。
いくらのレートで決済するか?という点より、いつまでに決済しないといけないか?という点のほうが基本的には気になります。
それは、常にパートナーあってのことだからです。
客先ならば、JPYの受取りがきちんとできたかを確認しますし、海外ベンダーならば、例えばUSDの送金がきちんとできたかを確認します。
これをしないと、お金のやりとりがちゃんとなされていなかった場合、気づけないですからね。
そうなってしまったら、大変です。
お金の話はとてもシビアなところなので、いっきに信用問題に発展することだってあるわけですね。
自然、実需為替取引とその確認作業は、止めることができない日々のルーチンになっています。
当然なんですが、通貨危機と呼ばれるような未曽有の事態においても、基本的には実需為替取引は続けられていくんですよ。
通貨危機と個人トレード
個人トレーダーとしては、通貨危機がトレードをする上で最も気になる不安要素です。
が、トレードをしないべきって話じゃなくて、むしろ通貨危機は利用するべきなんですよね。
大きなボラは回避すべき変動ではなく、「大儲けできるチャンス」なんです。
大暴騰と同じく、大暴落だってどんどん率先して利幅を抜くことに挑戦していくべきなんですね。
通貨危機とは?国の経済自体に悪影響を及ぼす大事件と為替レート
↑こちらの記事では、通貨危機は不安要素だという書き方をしましたが、それはトレーダーにとってあくまで想定外の出来事だというだけのこと。
実際は、事実確認の後、いかに早くエントリーできるか?がポイントになってきます。
為替市場に普段、さほど興味のない人でも、通貨危機の際はチャートを見ます。
じつは、定期的に訪れるこういうタイミングが、常に一定の個人投資家が入れ替わるタイミングなんですね。
こと国内においては、怖くなってやめる方が多いですが、海外では、むしろ逆なんです(・・;)
海外勢は知っている!通貨危機は狙い目
大きな価格変化がより良い利益率のトレーディングを可能にするということを、外国勢はよく知っています。
なので、通貨危機の際は、想定より値幅が出やすいんですね。
日本人の逆張りと外国人の順張り|トレードに影響する国民性の違い
つまり、順張りでここぞとばかりエントリーする人が増えるんです。
元々の通貨危機の際の暴落、暴騰の原動力は、ポジション整理なわけなので、ここにさらに新たな同方向への力が加わっていることになりますよね。
このエネルギーが、莫大なものになるということは、想像に難くないと思います。
ちなみに、通貨ごとにその傾向の強弱は多少異なります。
一番ボラティリティが出るのは、やっぱりポンドですよね。
この通貨に関しては、本当にジェットコースター状態になることがけっこうあります。
玄人のワザ?!通貨危機における対処方法
通貨危機などの暴落時に逆方向への変動を想定した為替予約をしていた場合、ぼくの勤め人としての措置の仕方は、「通貨危機と判明した時点でできるだけ予約時期を早める」というものです。
これは、とりあえず現時点以上の損失を最小限におさえるための対応です。
このやり方は、プロの金融系ディーラーも似たテクニックを使うことがあるそうです。
すでに自身が通貨危機を認知しているのに、みすみすお金を失い続けるなんていうのは愚の骨頂なわけです。
これ、当然、この処置だけで終わりではありません。
これは、危機対応のはじめの一歩ということなんですね。
この後の処置に関しては、通貨危機ごとに、かなり多岐にわたった専門的なものになっていきます。
ケースバイケースということですね。
自分で玄人のワザとか書くのもなんですが、こういう措置については、数時間判断が遅れただけでもかなりの額の損失を出してしまったりするので、けっこう神経をすり減らします。
基本はレッドブックものですからね、こういう類の話は。
わりと入社後から間をおかずに、けっこう早い時期から話を聞いてイメージを持たされていました。
こういう話からFXへ応用してほしいなとおもう意識付けとしては、ぼくは「なるべく早く通貨危機であることを察知する」ことの重要性かなと思っています。
要は、実需にしてもFXにしても、認識が早ければ早いほど、その対応も早めることができるわけです。
実需勢なら、為替予約。
個人トレーダーなら、新規エントリーですよね。
もし逆向きのポジションを持っていたのなら、なるべく早くドテンできれば、損失も最小限におさえることができます。
通貨危機の際の相場環境認識
通貨危機のときにFXで新規に入るときは、まずはよく相場を見るようにしましょう。
この場合の「よく見る」というのは、大きい時間足や違う通貨ペアも見るということです。
その時のコツは、リスクオフの時に買われる通貨、売られる通貨をよく意識することです。
このものさしが、かなり生きるんですよ。
言ってみれば、スイスフランや日本円ってことですね。
資金調達通貨としてユーロが台頭してきている現在は、ユロスイよりもドルスイのほうがいいバロメーターになる、と言われています。
また、同様に、ユーロ円よりもドル円のほうが、避難通貨としての日本円の買われ具合をよく視認できます。
このへんは、時代感覚も必要ですよね。
AIがすでにかなり活躍しはじめている為替相場で、どのくらいの時間感覚で、どのくらいの資金量を投下していくべきなのか?
そこを考えていくことこそが、個々のトレーダーの力量そのものなわけです。
通貨危機で注意すべき2つのこと
通貨危機のときのトレードで注意すべきことですが、これは2つあって、ひとつはスリッページです。
かなりスベるので、大きく構えて勝負に臨むこと。
あとひとつは、逆張り厳禁という点。
順張りに徹しましょう。
世界的な金融危機ならば特に、一時的な戻しに騙されないことが大事。
売りが売りを呼ぶ展開では、逆張りは無意味なんですね。
リーマンショック以降は、特にロンドン時間の順張りが有効と言われています。
このことに関しては、ドッドフランク法の影響もあるようです。
「ここまで下がったのだから、そろそろ上がるだろう」
こう感じる理由は何なのでしょうか?
そこに、明確な根拠はあるのでしょうか?
底でうまく逆張りしてやろう、という作戦が奏功した話は、滅多に聞かないんですよね。
どこまで続くの?このトレンド
ぼくの場合は、通貨危機の際は、どれだけ値幅が出るか?よりも、どれだけの期間、一方通行のトレンドが続くのか?という点に着目することが多いです。
24時間続いたら2日目の当該市場でも再度材料化しやすいですし、1ヶ月続いたら同じ経済指標でまた反応して、再度意識される展開になる、とか。
前者の話を意識するのは、主にアジア時間、後者の話を意識するのは、主に欧米時間という感覚があります。
2日目の当該市場というのは、例えば東京株式市場の寄りのタイミングや、人民元の基準値発表のタイミング。
同じ経済指標というのは、雇用統計に代表されるアメリカの指標がメインですよね。
そもそも、経済指標って、注目されるのは8割方欧米の指標なので。
あと、さきほどからぼくはチャートが下落するベースで書き進めていますが、通貨ペアによっては通貨危機のときにはひたすら上昇するものもあります。
ユーロドルとかはその可能性があるわけですね。
こういう視点も、とても大事です。
通貨危機=暴落、とは考えないこと。
為替相場は、異なる2つの通貨が1つのチャートをかたちづくることで値動きを可視化しているものだからですね。
通貨危機はショックなのか?
そもそも、いつのまにか通貨危機を~ショックとか呼ぶようになってしまってますが、ぼくら個人のFXトレーダーは全然ショックでもなんでもないんですよね。
リーマンショックでショックを受けちゃったのは、リーマンブラザーズ1社だけですし、チャイナショックでショックを受けちゃったのは、中国1国だけなんです。
もちろん、派生的にさまざまな金融機関、銀行などが打撃を受けたからこそ、これらの通貨危機は歴史に残るものになったわけです。
が、「ショック」だからと言って、実際は、ポジションを持っていなかったら何の影響もないわけです。
このへんは、ぼくは言葉のチカラもあると思っています。
~ショックという言い方でなくとも、元来の通貨危機という言い方ですよね。
通貨が「危機」みたいだ。
これはなんだかちょっと怖そうだぞ。
そう、思っちゃいません?
思っちゃうんですけど、外貨預金なんかをしていない限り、個人には即影響があるわけではないんです。
こういうのは、生活の中で、「~さんが商売上がったりらしい」とか「~社に勤めてた~さんは、給料がガタ落ちらしい」とか、そういう話を耳にしたりして、だんだん実感してくるようなことなんですね。
急に自分の銀行口座のお金がなくなったりなんてしないわけで。
であれば、さきほど書いた通り、こういうタイミングっていうのは、相場のボラティリティ拡大の利を知っているならば、「よし、いっちょFXやってみるか」と思ってみても良いわけですね。
通貨危機ではリスクテイク!
理屈ナシに、危機とか言われちゃうと、ちょっと引いちゃうんですよね。
でも、こういうのって、「虎穴に入らずんば虎子を得ず」なんです。
ある程度リスクをとるからこそ、大きな利益を得ることができるという定石は、常に大事なポイントとして意識しておきたいことなんですよ。
通貨危機で実際に危機的な状況に陥るのは、マクロな視点の世界です。
もちろん、その話を個人単位まで落とし込んでいけば、個人個人の生活にも関わってきます。
でも、取り急ぎいきなり働き口がなくなるとか、衣食住のサイクルが急に成り立たなくなるなんてことはないわけです。
せいぜい、「なんだか不景気なことが起こったみたいだぞ。」とアジアの片隅で感じるだけなんですね。
であれば。
であれば、ですよ?
ここは、「リスクをとりに行くべき局面」だという認識で相場に向き合うべきなんですよ。
目を覚ませ!本当に怖いのは?
それが、証拠金取引というかたちで、果敢にも相場に挑むから、急に「危機」という言葉が響いてくるんです。
現実においては、通貨危機っていうのは、感覚的には遠く離れたところで起こっている事象なんですよね。
なのに、目の前で大暴落するチャートを見て、「これが通貨危機か、こわいな」と思っちゃうわけです。
全然怖くないんですよ。
本当に怖いのは、自分のトレード資金と通過危機の雰囲気を、勝手にダイレクトに結びつけて「怖い」と言ってしまうトレーダーの心理なんですね。
もしチャート変動を見て、戦略など思いつかず、ただひたすら「怖い」と思ってしまうのなら、とりあえずそういう状態での相場参加はやめておきましょう。
たぶん、トレードの結果は、そんなに良いものにはならないはずです。
が、さきほど紹介した記事中での言葉を引用するなら、為替レートの変動って、ビルトインスタビライザーの役割を果たしているわけですね。
このビルトインスタビライザーが完全に取っ払われた状態が、通貨危機の際の一方的な展開なわけです。
この相場について、どう思います?
すごくわかりやすいとは思いませんか?
そして、わかりやすいのであれば、エントリーしない理由なんて、なくなりませんか?
トレンドでがっつり稼ぎたいのであれば、通貨危機を避けていていつエントリーするのでしょう?
やっぱり、そのくらいの心持ちで挑んでいくべき相場が、通貨危機なわけですね。
まとめ
さて、いかがでしたか?
リスクをとりましょう、なんて、ぼくとしてはちょっと珍しいことを書いたかもしれません。
が、通貨危機って、ある程度の期間つづくものです。
その値動きは、経済指標のように突発的に始まって突発的に終わるものではなく、もはやトレンド相場をかたちづくっているんですね。
ボラが大きいので少し身構えてしまうくらいの傾斜になりますが、こういうのはチャンスだって考えなきゃダメなんです。
なぜなら、トレンドの根拠が明確だからです。
動意づいた理由が不明確なトレンドというのは怖いものです。
これは、いつ逆行するかわかったものではないからですね。
でも、通貨危機のときは、材料が明るみに出るのに多少時間を有するものの、いったんそれとわかれば、マスコミ各社はこぞって一斉にそのことを報じるわけです。
それこそ、「~ショック」とか、インパクトのあるネーミングをつけたがるじゃないですか。
そうなったら占めたものです。
FXトレーダーとしてはここぞとばかりにチャートに向き合う時間を増やし、できるだけトレードチャンスを増やしてみるべきだと、ぼくは考えています。
記事のタイトルへの回答としては、「通貨危機でもトレードしちゃうべき!」ってことですね。
要すれば、有給とって自宅にこもっちゃいましょう。
あ、そこまで書いちゃダメですかね(^^;)
Dakar
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